火星の月の下で

日記がわり。

○ロシア第五帝国

露イズボルスククラブ主幹の右派論客アレクサンドル・プロハノフ氏のインタヴュー記事を読む。
忘れ去られた改革 2
この中にひとつ、面白い表現があって、

モスクワでプロハノフ氏に改めて話を聞いた。
氏の歴史観はこうだ。
プーチン政権下のロシアは、(1)ロシアの源流となった中世国家「キエフ・ルーシ」(2)モスクワ大公国(3)ロマノフ王朝帝政ロシア)(4)スターリン帝国(ソ連)に次ぐ「第5帝国」であるという。

この認識はある程度の露インテリの頭に中にはけっこうあると思う。それに賛同するか否かは別として。
最初の3つは紛れもなく君主制の国家だったので、広義には帝国と言ってもいいかと思う。
もちろん、宗教的指導者としての側面やらもいろいろ考慮に入れないといけないので、正確には帝国といっていいのはロマノフ王朝だけだろうけど。
そして4番目と5番目が、タテマエだけになっているとはいえ帝政や王政を否定する共産主義体制の中にあってのこととを考えると、対外的な側面としての帝政(あるいは君主制)の必要性を感じているのかもしれない。
20世紀の二度の大戦で、血統的君主を追放、廃止した国々でも依然として「君主制待望論」は生き残っている。
大半は独裁君主としての王国ではなく立憲君主制による王政だろうけど、帝政となってくると少し様相が変ってくる。
もちろんここでの文脈から、比喩として言われている、というのも考えるべきだけど「帝国」ということばを出してこられると、いろんな方向に連想が及んでしまうのもまた事実。
そして、領域内に多くの異民族、宗教(欧州圏唯一の仏教国カルムイクのような国まである)を抱えるロシア連邦にとって、王国ではなく帝国という名前の方が現実味も感じてしまう。
もっとも帝国であったとしても、血統的な君主制ではないし、発言者もそれを意図していたわけではないだろうけど。
ともかく認識としては面白いですな、ロシア第五帝国。