火星の月の下で

日記がわり。

銀盤カレイドスコープ 第4巻

恥ずかしながら、第4巻が出ていたとは知らなかった。(^_^;
だって、第3巻で、なんとなくこのシリーズは幕引き、みたいな印象があったし。でも後書きで作者さんも書いてたように、設定がしっかりしていたら、十分に続けられるんですよね、この人、物語として読ませるテクはかなりあるし。
だいたいラノベっていうのはイラストから入る場合もけっこうあって、このシリーズもご多分に漏れず、鈴平氏の華麗な絵柄で目にとまったわけですが(エロゲくさいので嫌だ、っていう声も聞きますが、私は好きです)物語がイラストを上回る力を持っているので、十分に鑑賞に耐えられるわけです。
正直言いまして、この作品に出会うまでフィギュアスケートなんて、ほとんど興味がなかった。昔、竹宮恵子がこのジャンルの漫画を描いていたことがあったので、それでちょっと知っていたくらい。ウィンタースポーツは見るだけなら、ラグビー、サッカー、駅伝とけっこう好きなのですが、アイススポーツは(無知ということもあって)ほとんど関心がなかったわけなのですよ。ところがこのシリーズでは、そんな全然フィギュアスケートがわかっていない人間でもスッと入っていけるくらい、競技の説明と、キャラのリンクとのさせ方がうまい。第1巻の「ウェイトレスプログラム」、第3巻のリア・ガーネットの演技、まさに文章が眼前で絵になっていくような快感があったわけで、それはこの第4巻でも変りません。特に今回はタヅサの妹ヨーコの話に移ってくるので、ジュニアの用語がけっこう出てくるのですが、これもうまい具合に消化、解説されている。・・・いや、ノービスなんて、言葉すら知りませんでした。(笑)
で、お話の方は、ネタバレになるといけないので触れませんが、今までチラチラと出てきた「背景」の人物にすぎなかったヨーコの、これまた切なさ炸裂で、かなりいい感じに仕上がっています。妹として、タヅサと似ている部分、ヨーコの個性の部分、わかりやすく出ていると思う。序盤の「やーめた」ってところなんか、実に「らしい」ではないか。まぁ、難点としては、桜野姉妹の家庭環境とかが、ちょっとくどい感じはするものの「あえていえば」っていうレベルなので、1巻からずっと追いかけてきた人間としてはほとんど気にならない。
そういえば、アニメ化も決定したようなニュウスが、出版元から出ていましたが、正直不安の方が大きいです。どこが制作担当するのか知りませんが、現在の過密スケジュールのスタジオ体制の中で、十分な動きを出してもらえるのだろうか、っていう不安です。この作品は動画部分をしっかりやってくれないと目もあてられないことになりそうなだけに。ウェイトレスプログラムや、リア・ガーネットのプログラム、よほどうまく、かつ動画枚数を使ってくれないと悲惨な結果になりそうで、動いているタヅサやヨーコ、リアを見たい反面、プログラム部分に対する不安もいっぱいだったりします。
と、いろいろ書いてはきたものの、実はまだ1回しか目を通していない。(笑) まぁ、今日買って帰ってきたところなんで、そんなもんなのだが、もう少し読み直しをしてみようと思う。というのも、巻末にあった「あえて残した下品な表現」がほとんど気にならなかったから。