火星の月の下で

日記がわり。

◎ファンチル 第23話

ドラマとして、一番の収束感があるのがこれ。SFとしてみた場合、ギリシア編の月並みな社会体制、クーデターなどがすこぶる平板だったのでいささか評価しかねるけど、ドラマとしてはすごく面白い。最初集団で現れる不気味さがあったベフォールの子ども達も、その後の細やかな描写で個性が際立ってきたし、何より、個々の思惑が交錯しているのがいい。
今回の話ではトーマとヒースマの一連のやりとり、「おまえは死ぬってことがわかっていない」みたいな会話に、今まで積み重ねてきたベフォールの子どもたちの不思議さが重なって、とても重みのあることばになっていると思う。
またパルザとメルの回顧も、ギリシア編での仕込みがあったせいか(くどいけど、この仕込み自体は退屈だった)いろいろと前半にばらまかれた素材が回収されていく感じだ。前半部でパルザとメルが群れを離れていくくだりは、まだストーリィがはっきり見えてなかったこともあって、さながら時間旅行者の孤独と非情のよううであったけど、ここに至って、別の意味が見えてくるようで、こういった演出も面白い。さあ、どこへむかっていくのか。次回はいよいよトーマに見舞われた不思議な感覚(というか既視感?)が語られるのかな。かなり予想はつけやすそうだけど、ちょっぴり楽しみ、というだけにとどめておこう。