火星の月の下で

日記がわり。

◎巌窟王 第23話

なんか先週感想書いてなかったので、かなり遅れたけど一応書いておく。実質最終回だしね。
最後までアルベールと伯爵がイチャイチャしてて、それでしめ。ただし、復讐の方はやや駆け足だったとはいえ、しっかり見せてくれて、巌窟王になった経緯は結局具体的には明示されなかったものの、伯爵の苦悩と意思の狭間で揺れる魂の嗚咽はひしひしと伝わってくる、いい演出だったと思う。
注目するべき点はいろいろとあって、「語らずに説明する技法」とか「アルベールの真理の矛盾が、若さからの揺れ」を表現していたこととか、いろいろ面白いストーリィ作法上の技術を堪能させてくれたのだけど、やはり伯爵へのアルベールのアプローチをしっかり最後まで正面から描いていたのがとても印象深く、かつ作品の全体像を崩すことなく詩情を与えていたと思う。つまり、あれほどエデが「愛しています」「お慕いしています」と訴えても心を動かさなかった伯爵が、アルベールの抱擁でいとも簡単に心のうちをさらけだしてしまっている、っていうことですね。闇を背負った真実の男は、美少女の心をひきつけることになっても、矛盾に満ちた少年の心の方にひかれる、そんなメッセージ性を感じてしまいます。あのシーンはいままでやってきたことの反映がみごとに出てて、とてもいいシーンだったと思う。