火星の月の下で

日記がわり。

怪奇小説日和(ちくま文庫)を購入

Amazonで「おすすめ」されていたので、購入しようかどうしようか少し迷っていたら近くの書店に新刊として入っていたので、Amazonで買うより書店で買う方がよろしかろうと思い購入。
内容は後書きにもあるが以前出た『怪奇小説の世紀』からの抜粋と新訳をいくつかくわえたもので、大半が別の人の訳で読んでいたり原書で読んでいたりしたものだったが、はるか昔の図書館で読んだものもあったし、記憶がうすれているのもあった。
なによりコンパクトにまとまっているのが気に入って、まだ全部読んだわけではないが、頭から一つ一つ読んでいるところ。
冒頭のオブライエンは、顕微鏡の中に見た少女に恋をする名作『ダイヤモンドレンズ』で幻想小説の愛好家にはなじみのある名前。
何かの英文アンソロで読んだ記憶があったのだが、完全に忘れていたのでけっこう新鮮なつもりで読めた。
オブライエンのものは30代の頃にいくつか作品集を買っているはずなので、書庫の中から引っ張り出してきたいと思わせてくれた。
読んでいる途中、いろいろ思ったのは、英語文学/小説/戯曲は、いろいろ手軽に選集が出てたいへんうらやましい、ということ。
独書もInselやReclamからそこそこ良い選集は出ているが、現代作品といえどもなかな翻訳は出ない。あまり渉猟したわけではないが、露書、仏書なども大同小異だろう。
独書ならまだ自力で普通に読めるからいいが、仏書、露書、西書、といったあたりになると、辞書をひきひき読めないこともないが、なによりそういったものを渉猟していく機会や場がない。
やはりもう少し、英米語以外の翻訳が生まれてほしいものだ、と思うことしきりである。
特に独・仏・南米は、現代文学の最先端を行っているようなところがあるのに邦語で取り上げられることが少ないのは甚だ残念である。