火星の月の下で

日記がわり。

岩波版シャクンタラー姫

戯曲全集でもう何度も読んでいたんだけど、本屋で見かけたのでつい購入。
一応所有しているものと訳者は違うし、原典はとても読めないので違う訳のものは複数あっても良いだろうと思ったのと、文庫サイズだと寝っころがって拾い読みするのにも良いだろう、と思ったから。
で、感想。
訳文が戦後のものとは思えないくらい堅い。
一瞬、岩波がよくやってる戦前に出たやつのリバイバルかと思ってしまったくらいで、日付を見ると1977年版なのでそういうわけでもない。
訳者の辻氏は既に故人だが、サンスクリット語をはじめとするインド語学の大家であり、語学者としての業績には素直に頭を下げるところではあるけれど、やはり「読み物」としてはもう少し現代風のものが欲しかったところ。
原文と照らし合わせる能力もないので推測だけど、たぶん語学的には正確にしてかつ適切な訳なのだろうけど。
まぁこの辺は、他の古い訳もいくつか所有していて、物語自体は知っているから、というのもあったりはするし、その古い訳は英語やドイツ語からの重訳だったりなので、正確な訳としての本書の価値が減ずるわけではいっこうになかろうとは思うのだが。
それにしてもおっぱいがデカくて孕みっ娘になっちゃう美少女姫シャクンタラーって、現代的なヒロインであることよのぅ、と改めて感じ入った次第。