火星の月の下で

日記がわり。

ハンガリー文化史概要

書架より今岡十一郎『ハンガリー文化史概要』(審美社、1969年刊行)を引っ張り出してきて拾い読み。
今の文化史、文学史なんかに比べると記述のスタイルが少し古いめかしいけれど、日本語で読めること、そして完結にまとまっていることなんかがたいへんありがたい書籍。
160頁ほどの小冊子だし、それを思うと未知の作家などを多く取り上げてくれてもいるし、有効な本だろう。
そもそも欧州文学史において、欧州全体のものを除けば各国史、各言語による文化史というのが、だいたい独、仏、英、露、伊、西、あたりまでで、ギリシャ文学も古典古代を除くと決して多いとは言えない。
ましてやロシヤ以外の東欧となると、チェコベーメン)とポーランドが少しある程度。
北欧関係は、個別には少ないけれど、ノルド語文化圏としてはそこそこ出ているのでまだかなりましな方だろうか。
東欧に限って言えば、ハンガリールーマニアの言語文化史はもっと出てほしいし、もっと読みたい。