火星の月の下で

日記がわり。

魔笛の代表曲

ワルシャワオペラが近く来日するらしく、テレビでときどき宣伝をやっている。
ぼんやり見ていただけなので、どういう歌い手がいて、場所はどこなのかとか、そういったことは頭に入ってこなかったのでが、たぶん関西では『魔笛』をやるのだろう。大好きなオペラなので、ちょっと耳に残っていたのである。
で、何度かCMを聞いているうちに、ふとどうでもいいことが思い浮かんでしまった。
この、『魔笛』公演のバックに夜の女王のアリアが流れていたのである。
そっかー、今の人にとっては、『魔笛』の代表曲って、夜の女王のアリアになっちゃうのかー、とふと思ってしまったのだ。
『劇場支配人』以降、『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『コシ・ファン・トッティ』『魔笛』『皇帝ティトゥスの慈悲』に至る後半生のオペラはどれも傑作揃いだから、代表曲をどれか1曲なんてのはどだい無理な話で、ある意味全てのアリアが極めつけの名曲と言っていいと思うんだけど、その中でも、時代の好みとかはいくつかあるように思う。たとえば、非常に悪魔劇的色彩の濃い喜劇『ドン・ジョバンニ』など、ツェルリーナとドン・ジョバンニのロマンスや「ぶってよマゼット」なんかが愛好された時代もあれば、終幕近くの地獄落ちのシーンが愛好された時代もあった。
私はドン・ジョバンニの中からだと、場面としてはやはり騎士長とドン・ジョバンニの地獄落ちのシーンにビリビリしびれてしまうが、どれかアリアを1曲、ということになると、「カタログの歌」なんかが好きである。キャラとしては尻軽の村娘ツェルリーナとかも好きなんだけどね。(笑)
さて、では『魔笛』では?・・・ということになれば、断然鳥刺しパパゲーノの歌である。「恋人か女房があればよいが」「パ・パ・パ・パパゲーナ(ノ)」とか、とにかくパパゲーノからみの曲は覚えやすく歌いやすい旋律線でありながら、名歌手にかかるといつも自分が気づかなかった奥深さを教えてくれるすばらしい曲揃いで、『魔笛』の主人公は、少なくとも音楽的にはパパゲーノじゃないのか、と思ってしまっていたが、どうも最近の嗜好(・・・と言う言い方も変だけど)は「夜の女王のアリア」になってしまっているようである。
単にこのCMだけに限ったことではなく、いろんなBGMで聞くことが多いのだ。
最近だと、アニメ『.hack//ROOTS』の中で盛んに多用されている。
というわけで、ワルシャワオペラそのものよりも、CMが気になってしまいました、ということである。
まぁしかし、行ける機会があれば行ってみたいもので、最後にオペラをじかに見たの、ってもう四半世紀以上昔のレニングラードオペラがラストじゃなかっただろうか、いや、関西二期会が最後だったかな、とにかく、もう他人の記憶かな、っていうくらい昔にしか行ってない。
それに、オペラは高いしね。(^_^;