火星の月の下で

日記がわり。

○一緒に成長していきたい、という幻想

屍姫_赫』のCVの評判がすこぶる良くない。
まぁ、誰が聞いても、あの凶悪なまでの棒読みには閉口してしまうだろう。
しかも1人ではなく、主役が2人も、である。
ここで簡単にその主役2人の経歴を見てみると、
秋山奈々。(リンク先はWikipedia
ヒロイン役・星村眞姫那。15歳設定。
1989/12/26生、ということなんで、現在18歳。モデル出身の俳優さんらしい。女優、歌手としても活動しているが、ともかく声優ではない、少なくとも声優の訓練を受けてでてきた人ではない。
羽染達也。(リンク先はWikipedia
主役・花神旺里役。高1設定。
1989/05/15生、ということで19歳らしいが、誕生日が早いだけなので秋山と同学年。
こちらも本業は俳優さんで、声優ではない、もしくは声優の訓練を受けて出てきた人ではない。
現在2話までが放送されたが、とにかくひどいの一語で、とても聞くに堪えない棒読みっぷり。なまじ作画が優秀なだけにギャップのすさまじさというか、アニメパートがかわいそうになってくる悲惨さである。
この素人起用に関して、雑誌の方で「ともに成長していく姿を見てほしい」と制作側は語っていたようだが、非常に既視感のあることばである。
ちょうど半年前、『マクロスF』でも同様の発言を聞いたからだ。
今年4月にスタートした作品で、かなり早くから今期3大棒読みアニメ、と言われていた作品があった。
マクロスF』『ソウルイーター』『ペンギン娘』。
それぞれにかなり痛い問題のある作品だったが、『マクロスF』でヒロイン・ランカに棒読み素人を当てたときにもこういうセリフが雑誌に踊っていた。
半年経って成長の痕跡は見れたろうか。たぶん否。
現場では多少の変化はあったのかも知れないが、受け取り手の側からすれば、ヘタなまま終わった6ヶ月だった。
だいたい特殊技能に近い「声だけでの演技」がたった6ヶ月で上達したり、成長したりするようなものじゃないでしょ。もしそうだと思ってるのなら、現役の声優さんにすこぶる失礼なのではないだろうか。
未成年のアイドルだから、ルックスとかはすこぶるいいのだろう(見てないし見る気もないから知らんが)、そういう未成年のルックスのいい女の子と一緒に仕事をしてりゃ、現場は嬉しいだろうねぇ。(笑)
当然そういう目で接しているだろうから、伝わらないような変化でも「すごく成長した」と、メディアあたりに流していっちょあがり、なんだろうけど、受け取り手全員がその場にいるわけでもないということに想像が及ばないのか、またそのことをもってプロの仕事はアマにはわからん、とか思っているのだとしたら、相当知能がたらないんだろう。
そして今回の『屍姫_赫』なんだが、さらに状況は悪化している。
まず、棒読みが2人に増えていること。
仮に現場にほおりこんでなにがしかの成長があるとすれば、己が技術の未熟を悟り、周囲のプロに感化され、向上しようとする意思が必須だと思うけど、これが複数になって、しかも自分と同世代、同程度の技術の人間がいて、はたしてそういう向上意欲が期待できるのだろうか。
たぶん、「あっちもあの程度だから、これくらいやればすごくがんばった」になってしまうんじゃないかなぁ・・・。
そして期間。
屍姫_赫』の話数が何話くらいのスケジュールなのか知らないが、成長するのを待てるくらいの話数が用意されてるのだろうか。
2クール半年では足らないのだから、4クールはいると思うけど、深夜アニメだし、長期続けられるネタとも思えないので、1クール、良くて2クールなんじゃないか。
さらに、ここでいう成長が、この作品で、ということではなく、彼らの芸の成長、ということなら、このアニメ作品はその踏み台として消耗させられるわけだから、愛好者をこれほどバカにした行為はない。言語道断だ。
なるほど、過去にはアイドル歌手や、女優、芸人から転進して、成功した例もわずかながらある。技術が向上した例もあるだろう。
しかしそういったケースはほとんどが、その後も声優として生きていく、という姿勢をしっかりと持ったところから出てきたのだったんじゃないか、という思いがある。個々の例を出すのは控えるが。
この2人は、俳優として生きていくつもりなんでしょう?
この2人についてはそれほど知っているわけではないので、ひょっとしたら相当な決意をもって、つまり今後声優一本に絞り俳優業は全て廃業して、という意識で飛び込んできているのかもしれない、もしそうなら撤回するが・・・たぶんそうではないでしょう、推測にすぎないけど。
それゆえ、成長云々というのは、詭弁であり、幻想にすぎない、と思うわけだ。
文中いろいろ書いたけど、この2人に対しては、別になんとも思っていない、というかそもそも興味すらない。
思うところがあるのは、こういう素人を使ってしまう制作側の姿勢、あるいはどういう利権、癒着構造があったのか、ということだ。
ともかく、棒読みデュエットは聞いているだけでストレスがたまるので、音を消して絵だけ鑑賞したい気分に強くさせられるので、全然話が入ってこない。
作画パートが極めて優秀なだけに、まことにもって残念だ。
ニコニコだが、参考までに先日貼った、インデックスが棒読みになってしまった窓動画を張っておく。
インデックスさんが屍姫のセリフを棒読み始めました
オンドゥル姫とも呼ばれているらしい。(笑)