火星の月の下で

日記がわり。

大波乱のA級順位戦

A級開幕前の下馬評としては、木村、森内、郷田、といったあたりが本命だったのではないか、と思う。
しかし降級候補については、ほとんどの人が高橋、井上で鉄板だと思ってたんじゃないだろうか。
55年組や神戸組を応援している私でも、この2人が残留するのはかなり厳しいだろうなぁ、と思っていたし、ヘタするとどちらかは全敗降級するんじゃないだろうか、と危惧さえしていたぐらいである。
それがフタをあけてみればまさかの大健闘で、4局消化して、ともに3勝1敗。
もちろん、ここから失速して降級する可能性だってあるし、過去にそういう例はけっこうあったりするので、まだまだ油断は禁物だけど、少なくとも、全敗降級とか、お互いに1つだけ勝って1勝8敗降級なんてことはなくなったわけだ。
現時点での成績を整理すると、トップが順位7位の谷川九段4勝0敗。
ついで順位3位の森内九段3勝1敗。
この2人の永世名人資格者にとっては、A級の中でほとんど唯一な順当ぶりで、まだまだ半分消化しただけなんで先は長いけれど、この前半の活躍に関しては、別に意外なことはない。
ついでB級1組から昇級してきた40代の2人、順位9位の高橋九段3勝1敗、順位10位の井上八段3勝1敗。
前半は、この谷川、高橋、井上の40代トリオの大活躍につきると思う。
特に、全敗降級さえ懸念されていた井上八段の健闘はすばらしく、森内九段の1敗はこの井上八段によるものである。
さて、不審組。実は意外性という点では、こちらの方が大きい。
前半4局を終えて、順位6位の藤井九段が、先日書いたようにまさかの4連敗。
続いて、名人経験者、羽生世代3強の一角・順位2位の佐藤(康)九段が同じく4連敗、藤井との直接対決でようやく片目の開いたこれまた名人経験者、順位4位の丸山九段が1勝3敗と、信じられない不調ぶり。
特に、ともに名人2期の経験者である佐藤九段と丸山九段のこの不調っぷりは、予想外どころの話ではない。
たしかに今期順位戦が始まる前から、やや調子を落としているかな、という感じはあったが・・・。
順位戦は総当りで9局戦い、2敗前後くらいで名人挑戦権を得ていることが多いので、まだまだこれからだし、過去に佐藤九段が6連敗しながら残留したケースもあったので、残留争いもまだまだ予断は許さないが、近年まれに見る激しいレースとなっている感じである。