ラノベと純文学
【ラノベ】作家を馬鹿にしているガキどもちょっと来い【文学史】
着々と「おーぷん２ちゃんねる」からのまとめが確立していってるように感じるな、ま、それはともかく。
ラノベについて語っている延長で書かれていたので、一応ラノベタグをつけたけど、むしろ純文学について。
この人は
と書いてるけど、ここが激しく間違っている。
純文学は散文と韻文のバランスの上に成立する。
従って「小説」である以上に「散文」であることが意識される、それが純文学で、洋の東西を問わず、この分類抜きで成立しているところは少ない、というかほとんどない。
その数少ない例外が日本と米国で、海外文学として米国ものをまず第一に受容している日本は、純文学から最も遠い位置にある。
そもそも言語アカデミー（名称は国によって異なるが）が存在していないところに純文学というものは成立しづらい。
純文学というのは、実は内容よりもむしろ形式によって分類が可能なのだ。
その意味で日本では純文学がほとんど死滅している。
韻文側での存在が確認できているので、ないことはないけど、量的な意味ではほとんど存在していない、と言い得るほど。
さかんに例として上がっているけど、芥川賞が文藝春秋の販促賞だった、という事実を忘れてはいけない。
この発言者はその辺のことはたぶん認識していると思えるのだけど、そのことの意味にまで理解が及ばなかったようだ。
加えて、世界文学をもっと読んだ方がいいと思うよ、できれば原語で。
そもそも文学分類について語りたがる人って、邦語作品か、いいとこ米語作品しか読んでいないように見えることが非常に多い。この人もそうだ。
たとえば現代日本にはないジャンルで、欧州はもとより、中近東、アフリカ、南米、アジア諸国においていまなおしっかりと息づいている韻文劇や詩劇について、この人の分類だと「その他」扱いになってしまうのではないか。というかそもそも散文劇と韻文劇、無韻詩劇の区別すらついていないのではないかという気になる。
それぞれに作法がある。
・純文学とは、主に私小説であり、脚本ではなく演出を楽しむものである。
・エンタメ小説とは、キャラクター小説であり、脚本や伏線回収が評価対象となる。
・純文学とライトノベルの二者は最も遠いが、一回りして「実験小説」あるいは「前衛小説」として表面上は似た形式になる。
このあたりもかなり変で、文学が言語によってなされる、言語は韻と律、音と叙によって成立している、という解釈がかなり抜け落ちている。
まぁ、ラノベ、エンタメのところの解釈は、まだそれほど歴史がないこともあっていろんな意見があるだろうけど、純文学というとき、あるいはもっと単純に文学作品というとき、言語との関わりあいは軽んじてはいけないと思う。
ということで、この人は現代日本でほとんどありもしない架空の「純文学」をでっちあげて、ことばあそびをしているようにしか見えないなぁ･･･。
と、いろいろ純文学解釈のところで文句をたれてみたけど、
中高生、あるいは中高生同然の頭の持ち主へ：
世間を知らないガキが叩いて喜んでいるんだろうけど、
何か見下したくて、そこにライトノベルがあっただけだろ？
自称硬派の連中へ：
自分が「読書家」であることを自慢するために「ライトノベルは小説ではない」などと虚言を吐くな。
確かにラノベの多くはクソ以下の低俗だ。だが、差別は良くない。
レッテル張りは馬鹿の所業だ。表現の可能性を潰すな。
このあたりは賛同とまではいかないけど、理解はできる。それにこのあたりが本論だろうし。
(追記)一応反論しておく
これはこれで無内容な反駁で、こう、なに？ となる。 詩劇なら日本にも能楽があるし新作も書かれてるっつうの。
詩劇と能楽の区別ができていない、ということのようなので、韻と律の勉強をもう少しした方がいいよ。
音と叙の区別、といったのはこのような意味をも含んでいたのだし、上で無韻詩劇と散文対応の詩劇としての区分が日本語韻律として成立していない、というのもこういうことを含んでいたのだけど、この人はそのあたりがまったく読めていない。
そもそも詩劇って知っているのだろうか。
もし仮に能が詩劇だ、というのであれば、能のどの部分に頭韻、追韻、変律があるのか教えていただきたい。脚韻や破格でもいいけど。
というか、こんな暴論をふっかけてくる以上、オーピッツとかボワローくらいは読んでいるんだろうな。
新作の詩劇、日本語で新作が書かれているのならそれも聞きたいところだ。
まさかポエムで書かれた劇が「詩劇」と思っているんじゃないとは思うが･･･。
日本におけるブランク・ヴァースの停滞がどのあたりにあるのか、わかってんのかね。
「反駁」という言葉の意味もわかってなさそうだしな･･･。
＞こう、なに？ となる。
かなり知能の低い人みたいだが、自分の頭の悪さをこちらのせいにしてもらいたくないもんですな。
