火星の月の下で

日記がわり。

劇音楽ペール・ギュント

ペール・ギュントというと、高校の音楽の教科書にもでてくるくらい有名な音楽だけど、たいていは組曲の方で、あとドイツ語に訳された歌詞で歌われる「ソルベーグの歌」だと思う。
一応、ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団による劇音楽版の方を持っていたので、聞いているけど、やっぱり台詞があった方が臨場感が全然違うので、こっちの方が格段にいいですな。
『山の魔王の宮殿にて』で連呼される「Slagt ham!」のトロルの合唱とか、『アラビアの踊り』におけるアニトラのセリフとか、最高によろしい。
ちなみに、Slagt ham! は「あいつを殺せ!」という訳なんだけど、英語だと Slay him! になるわけで、「撲殺しろ」とか「殴り殺せ、打って殺せ」っていう感じになるので、やはりセリフがあった方がいい。
人間の侵入に気づいて殺そうとするトロル、っていうのはなかなかいいもんですな。
骨抜きにされた童話のせいで、「可愛い森の妖精」みたいなイメージになってしまってることが多いトロルだけど、こういう人間に害意を抱く妖精の姿、っていうのはなんとなく原初の姿が髣髴としてきて、大好きだったりします。
それとアニトラ。ベドウィンの酋長の娘にして、褐色の美少女。
しかもファム・ファタールな要素もあって、ソルベーグ(原語ではソールヴェイ)よりも好きだったりする。
もちろん、組曲の方もグリーグの素晴らしい音楽エッセンスが詰っている上、名盤も多いのだが、多少なりとも北欧語をかじったことのある人間であれば、この劇音楽の方を聴くべきですな。
全然関係ないけど、巨大掲示板のスレッド。
ドイツロマン派の知られざる作曲家グリーグのスレが消えてるのに、ロルツィングやライネッケ、ラフなんかが普通に話題にのぼってるのがすごいですな。
個人的には、今聞きたいというかCDとしてほしいのは、ホフマンの歌劇『ウンディーネ』(フケーの小説を歌劇化したもの)。
たしかレコードは出てたはずなんだけど、CDではちょっと見つからない。たぶん出てるはずなんだけどなぁ。。。