火星の月の下で

日記がわり。

ビゼー『真珠採り』よりナディールのロマンス

ビゼーというと一般にはまず『歌劇カルメン』及びその組曲、次いで『アルルの女』が有名だけど、歌劇中のアリアからどれか一曲というと、断然『真珠採り』で歌われるテノール曲「ナディールのロマンス(耳に残るは君の歌声)」が一番好きだ。
ようつべにいろんな歌手のものが上がっていたので、いろいろと聞き比べていると、この曲の本来の魅力、悲しみの向こうに見え隠れする舞台となったセイロン島の青い海がまざまざと浮かび上がる。・・・いや、スリランカにはまだ一度も行ったことはないんだけどね。(^_^;
夏の陽に焼ける青い青い海、その透明感とさわやかさの中にひそむ人の悲しみ、そういったものを浮き上がらせてくれるので、数あるアリアの中でも好きな一曲である。
歌劇には場面として楽しむスタイルがあり、ワタクシなどはどちらかというとそちらに重きを置いた鑑賞スタイルだけれど、名歌手によるアリア、二重唱、三重唱、レチタティーヴォ、といった方に魅力を感じる人の方が多いであろうことは想像に難くない。
ワタクシも場面重視とはいえ、そういったアリアの魅力に囚われてしまうことも多々あるので、こういった美しい旋律を名歌手の声で聞くのはもちろん楽しみの一つでもある。
そんな中でもアリアというとヴェルディモーツァルトのものを愛唱していたりするのだが、このナディールのロマンスは両巨人の名アリア群と比べても大好き度で互角にわたりあっている曲である。