火星の月の下で

日記がわり。

最近話題のタタ・モータース

印度の、単一財閥としては印度最大のタタ・グループのひとつ、タタ・モーターズジャガーとランドーバーを買収したらしい。
先日も、10万ルピー(約28万円)の車「ナノ」を発表して話題になったばかりだが、立て続けに名前を聞いた気がする。
車とかには全然興味もないんだけど、このタタ・グループは、パールシーの末裔による財閥、ということで非常に有名で、宗教哲学をかじってた人間には昔からなじみのある名前だった。
ゾロアスター教というと、経典を持ち、現在も存続している宗教としては世界最古の宗教のひとつで、拝火教徒とも言われる。
ヒンズー教ユダヤ教、クリスト教、仏教等に多大な影響を及ぼしたことでも知られ、善神アフラ・マツダのアフラが、東に行ってはアスラ(阿修羅)、西に行ってはアトラスとなったとか、一応単一神信仰のはしりみたいなところもあるけど、その息子、娘らの教義、信仰もあって、けっこう複雑な大系であることとか、マツダは日本の自動車メーカーに名前だけ拝借されてるなぁ、とか、アフラ・マツダと対抗する悪神アンリ・マンユ(アフリマン、アーリマン)がFateに名前だけ出てきたなぁ、とか、いろいろ思いつくことはあるんだけど、ともかく、古代ペルシアの国教にまでなった。
ところが、西の草原から突如出現したムスリムによって蹴散らされ、母なるイランの地はイスラム化されてしまった。
そこで、8世紀から10世紀にかけて、この宗教集団は、各地に離散していくわけだが、その中で、かなり大きな集団が印度の西海岸にやってくる。
ペルシアから来た、ということで、この一群はパールシー教徒と呼ばれ定着する。
もとより、優れた文化、職能を有する集団で、しかも宗教的結束で逃れてきたこともあり、よく民族の血統を守り、今日に至っている。
その中の中枢が、このタタ・グループで、ゾロアスター教徒はインドが英国の植民地になった関係で、英国に比較的多数いると言われるが、現在最大のグループがこのムンバイに拠点をもつパールシー教徒である。
かつてのゾロアスター教は極度に完成された複雑な教義にその特色があったけれど、インド移住後は民族宗教としての色彩が強く、親の血統により入信が決定される、というところもあるので、現在では他民族が入信するのは不可能らしい。
それゆえにこそ、古代ペルシアの血統を今日まで伝えてきたわけだが、そういうのを聞くと、本朝の皇室血統を思い出してしまうね。
王室ではないので、そういう家族血統としては残っていないけど、民族血統としては、たぶん現存する中では世界最古ではないか、と思う。
そんなわけて、個人的に、ちょっと注目している財閥だったりするわけだ。