火星の月の下で

日記がわり。

▽善光寺・辞退に関する各国の評判に対するまとめ記事について

たまたま元レスの段階で見てたので、このまとめレス自体は知ってたんだけど、いろんなところにリンクされてて、しかもあんまり検証されてないっぽいので、ちょっと言及しておく。
善光寺に対する世界各メディアの反応・・・という記事。
一応レス自体は、ラストの福田発言をオチに使ってるので、事実性よりもネタとしての色彩が強いようなんだが、読んでいくと気になるところがある。
この各国の評判に対する元記事、ソースなのだが、それについて挙げられている記事を読んでも、どうもそういうことを書いてはいないようなのだ。
英語記事は、普通程度に高卒の学力があれば読めると思うので、後にして、まずドイツ語の記事。
★ドイツ4大高級紙の1紙・die Weltの記事
抄訳してみると、
タイトル「日本の寺院が聖火セレモニーを辞退」
日本の寺院・善光寺が、当初予定されていた聖火リレーの出発点としては供しない、と表明。
寺の臨時会議で決定されたもよう、と日本の通信社が伝えた。
理由として、安全上の疑問、そして中国によるチベットへの弾圧が挙げられていると言う。
善光寺」は、1998年の長野冬季オリンピックで全世界に脚光を浴びた寺院である。
・・・というような内容で、単に事実を報道して、善光寺がどういう寺院かをきわめて簡単に述べているだけ。
独・Yahooのニュースより。
これ、私はアルゲマイネのウェブで読んだんだが、そのときには注意してなかったが、AP通信が元ネタっぽいね。したがって、AP通信に書いてるのとほぼ同内容だと思うけど、簡単に抄訳しとくと、
タイトル「日本の仏教寺院が聖火リレーを断る」
中国のチベット僧に対する行為により、日本のある寺院が聖火リレーの出発地点になることを拒絶した。
これは長野実行委員会事務官のシノハラ・クニヒコ氏が、僧侶の一人から聞いた話として伝えている。
長野は、1998年冬季オリンピックの開催地であった。
シノハラ氏によると「寺院の決定は尊重する。出発地点は変更されるだろう」とのこと。
また別の代表・ヤジマ・コウイチ氏によると「聖火リレーの際、中国のチベット政策に抗議が起こると、僧侶達は寺と信徒の安全が脅かされるのではないか、と危惧している」と言っている。
この寺院のある従業員が言うには、寺と信徒は中国のチベットに対する行為に対して憂慮している、とのことだ。「私達は彼らと同じく仏教徒なのです。」
手元に今辞書がないので、簡単にザーと見ただけだけど、どちらも単に事実を報道しているだけで、それに対する賞賛は見られない。もちろん非難があるわけでもないし、どちらかというと、寺側に同情的な文面のようではあるが。
もちろん、こういう日本の1寺院が拒絶した、というニュースが遠く離れたドイツの新聞に載った、というのは、それなりに意味があることだし、注目されている、ということでもあるだろうけど、上のまとめレスに載っているような、手放しの賞賛がなされているわけではない。
一応、以下に上のまとめレスに載っている英語版のリンクも載せておく。
BBCニュースより。
スポーツ・ガーディアンより。
グローブアンドメイル(加)より。
どれも上のような手放しの賛辞ではないと思う。近いニュアンスが行間から汲み取れるものもあるが・・・。
独・アルゲマイネのウェブはこういう事件がなくてもたいてい毎日見ているので、善光寺の記事が報道されてたのは知っていたが、賛辞記事だ、みたいな印象ではなかったので、上のまとめレスを読んでアレ?・・・と思ってしまったのだ。
もちろん、ソースがウェブ記事ではなく、欧米のウェブメディアなんかによくある、動画報道で言ってた可能性もあるだろうから、上のレスを書いた人が丸っきりの捏造をした、とまでは断言できないけど、やはりソースのない記事というのは、話半分くらいに聞いとかにゃいかんなぁ、と思った次第。