火星の月の下で

日記がわり。

まんが同人誌の正史

近頃、また同人誌のありようについていろいろと議論を見るようになってきたけど、ネットの浸透とけっこう密接になってきた感覚はかなりあって、垣根が下がってきた分、発言もしやすくなってきたんだろう。
そのこと自体はけっこうなことなんだけど、どうもネットの限界というか、1980年代以前の同人誌についてはなかなかさかのぼれなくなってしまっている。
さかのぼれたとしても、まだ全国情報にまではいってなかった頃の初期コミケの参加状況とか、現在プロになった人の単発的な過去としてしか追憶されない。
以前も少し書いたけど、1975年にスタートしたコミケではあったけど、80年頃、ロリコンブームが沸騰するまで(ロリコンブームの萌芽自体は78年前後であるが)東京ローカルの情報しかもっておらず、70年代はまだ東京ローカルは関西や北海道、九州よりも低位にあったのだ。
したがって、コミケ参加関連の情報で全国情報が摂取できるようになるのは80年代前半から。
これも以前書いたけど、70年代というのは同人誌の歴史にとって、かなり空白期間で、もちろんこの期間にも同人誌は数多く作られていたし、なにより、オフセット誌への移行期であった、というとっても重要な時期だったんだが、統一された資料がほとんどないこともあって、歴史検証の上で、かなりの空白感になってしまっている。
いいたとえではないかも知れないが、古代日本において、魏書東夷伝倭人条から宋書倭国伝の間の空白期間のような感じなのだ。
宋書〜隋書以降がコミケ期間で、三国志魏書東夷伝倭人条がCOMにあたるかな。
あえてこの70年代に資料になりそうなものをあげると、少年キングがやってた同人誌特集くらいだろうか、それでも網羅とまではとてもいかないと思うけど。
資料がなければ仕方がないけど、私のように、この時代の息吹を感じていた世代の記憶が確かなうちに、正史とまでは無理だろうけど(逆にこの時代の正史ができてしまうと、それはかえって眉唾物だろう)もう少し状況証拠とか、証言がでてきてほしいなぁ、と思ってしまうところだ。
とりあえず、作画グループスクランブル、あず、新鮮組コミックワークス、きら漫、画廊亭、猫が好き!、月想、ばんちゃく、テクラ、ミスカトニック大学漫画図書部、コア、類友倶楽部などの関係者が健在なうちに、個々ででもいいから情報を残しておいてほしい、と思ったりするのだが・・・。
なんかまだまだあったような気がするんだが、思い出せない・・・。(涙)