火星の月の下で

日記がわり。

▽インド宇宙軍と航空機産業

The inquireの記事によると、インドが宇宙軍を創設したらしい。
正確には防衛省による、宇宙からの脅威に対抗する措置、ということだが、記事だけ読んでると、ララァ・スン少尉の顔が浮かんでくるところがなんともはや。(^_^;
まぁ、私の世代になると、インドの軍隊、軍人と聞くと、ララア・スンよりも、『サブマリン707』に出てきたインド海軍の潜水艦の方が記憶には鮮明なんだが、それはともかく、インドも西にパキスタン、北に支那、南にスリ・ランカと、けっこうやっかいな相手に囲まれているので、自衛のためには仕方ないところかな。
ちなみに、宇宙軍自体は既にロシアにもあるようです。
それで重要なことは、ここでは軍事、としての色彩が強いけど、宇宙・航空産業の発展、ということであって、産業の中心が自動車から航空機へと移行するという考えは、もう半世紀も前からいろんな国でプランとして立てられていて、独仏が過去の因縁を忘れてでも協力してエアバスを作ったのも、米国の巨大航空機産業に飲み込まれてしまわないように、という側面もかなりあったわけだ(むろんそれだけじゃないけど)。
航空機が次期産業の中枢になる、とはだいたいどこも考えているのだ。
航空機、という場合、当然次の段階、宇宙ロケット(シャトルでもなんでもいいけど、とにかく宇宙空間へ出て行く航空機)の技術、資金、なんかも反映しているわけで、インドの宇宙軍なんかも、直近の目的としては自国防衛にあるだろうけど、長期的にはこの航空機産業への参入、という視野もあるんだろうと思う。
日本も先ごろYS11以来の国産航空機研究を、三菱あたりが中心になってやり始めたらしいけど、タテマエ上、軍需の背景をもたない日本は、相当に後手を引いてしまいそうな印象であるな。
支那やチョンごときには、そんなに短期間に追い抜かれるとは思わないけど、ロシア、インド、あたりの後塵は拝することになってしまうかも・・・、という危惧はある。
航空機産業の基本技術工学としては、材料工学というのがあって、ここから航空力学とか、宇宙物理とかとつながってくるんだが、この材料工学という点では、日本はかなり先端を行っている。
正確に言うと、東北大学の金属工学、材料工学部門で、世界一とまでは言わないが、米国のトップと伍するくらいの位置には来ていて、少なくとも、旧大陸諸国の中ではトップランカーだと思う。
ところが残念なことに、産業背景、軍需背景が希薄なので、この研究が実学、産業の上にどの程度反映しているか、ということになると、甚だ心もとなくなってくるわけだ。
「人間までカンバン方式」のト○タみたいなのが産業中枢にいるのは、冷戦の頃までは良かったんだろうけど、次の世代の産業を考えると、不安を通り越して足を引っ張るんじゃないか、という気がしてくる。
航空機産業は、まだ現時点では人件費を削減して勝ち残れるような即物的な製造業形態じゃないからね。
単に国防という観点だけではなく、未来産業、次世代産業として、軍需産業は非常に重要になってくると思うだけに日本の現状はかなり悲しいものがあるね。
まぁ、私が死んでからのことになるから、その不幸な結末を生きている間に見なくていい、というのがせめてもの慰めかな。