火星の月の下で

日記がわり。

▽今年もまた大阪の恥祭が始まります

11月2日から四天王寺ワッソが始まる。今年で15回目らしい。
この祭が始まるちょっと前に東京から大阪に来ていたので、「うわぁ、なんかとんでもない勘違い祭が始まるんやな」と思ったものだったが、止める人もなく、延々と毎年恥を垂れ流してきたようである。
東京生活が長かったけれど生まれは関西なので、関西人だ、と思ってたが、大阪人とは思われたくないなァ、と思った事件の一つがこれだった。
とにかく、知識人のはしくれてとして恥ずかしいの一語なので、なんとかならんものなのか、と思うのだが、一応その理由を簡単に書いておく。
・「ワッショイ」は朝鮮語の「ワッソ」が語源。
民間語源の「韓国語語源説」に少しだけ載っている。
ここに引用されている『韓VS日 偽史ワールド』が出版されるはるか前から、古代語の再現されていない朝鮮語で古代語がかなり再現されている日本語との類似、ましてやルーツを語るなど、まともな知性の持ち主ならまずしないだろう、と思われていたので、いかにこの説がばかげているか、は有名だった。
言ってみれば「アメリカのオハイオは、おはようと似ているから日本語だ」と言ってるのと大差ないのである。
・13世紀まで現存文献の存在しない半島を、8世紀に自国語の文献が現れる日本語のルーツと見る奇怪さ。
日本最古の文献資料古事記が8世紀前半。対するに半島最古の文献『三国史記』が13世紀半ば。他国文献に名前のみ残るものもいくつかあるが、現行ではこれが最古。そんな状況で、古代はこういう発音だった、と再現するのは不可能。
・製鉄技術を伝えた天日槍というウソ。
天日槍が製鉄技術を伝えた、とする古代文献第一資料は存在せず。
ほとんどが「ホコ」と訓じた名からの連想の域を出ない。しかも全て日本側の文献である。
製鉄技術に関係した可能性はあるが、伝えたと言い切ってしまうには問題が多すぎる。
百済新羅ははたして朝鮮人か?
出土した前方後円墳の分布から、伽耶から百済にかけては倭人王朝、もしくはその影響下にあった文化圏であり、新羅に関しても、第4代国王脱解尼師今(昔氏)が倭人で、通訳を必要とした描写がなかったことから、かなり倭人の文化が入っていたことは想像できる。
なお、新羅は半島でより日本よりである。
ついでに言うと、新羅の後の高麗は北から来た連中で、これが今日確認できる一番古い朝鮮人のルーツ。
・仏教を伝えた朝鮮人、というウソ。
王仁博士に関しては、半島に古代伝承が存在しておらず、ほとんどが、日本側の文献に載っていることが知られてから出てきたお得意の後追い史料である。
そもそも仏教は支那の文化として輸入したのであって、半島に通り道以上の価値があるわけではない。
ちょっと疲れた頭で書いているので、まだまだあったような気はするが、とにかく恥祭なのは間違いなく、大阪を少しでも愛する心と知性があれば、すぐに廃止してほしいものであるな。