火星の月の下で

日記がわり。

△アフリカの中進国

ボツワナの大統領が現在訪日中なのだが、そこでイアン・カーマ大統領が、

来日中のカーマ・ボツワナ大統領が19日、毎日新聞の単独インタビューに応じた。大統領は、世界トップレベルの生産高を誇るダイヤモンド産業への依存型経済からの脱却と、産業多角化に取り組んでいることを説明し、「日本などからの投資を期待している」と期待を示した。

・・・と語ったらしい。(毎日の記事
それに対して菅首相ボツワナの資源に関心がある、と語ったそうである。
短い記事なんだが、首相のアフリカ諸国に対する無知がいろいろと垣間見える。
以前、ドイツの海外植民地を調べていたことがあって、その途上で、ナミビアとタンガニカ、カメルーントーゴなどの諸国について、ドイツが放棄した後の道のりなんかかも、概略程度にではあるが、少しだけ追いかけていた時期があった。
そのとき、ナミビアが、独立自体はかなり遅れたものの、サハラ以南のアフリカでは比較的安定した社会であること、旧ドイツ領ではないが、東隣のボツワナもかつては最貧国指定だったが現在は解除され、サハラ以南ではたぶん唯一の内戦、クーデターを体験していない、安定した国であることを知った。
まだまだかなり問題があるとはいえ、さらに東のモザンビークもこの安定グループに入れてもいいと思う。
記事を読み比べてみても、明らかにダイヤモンド産業、資源開発産業からの脱皮、発展を考え、情報産業や金融、製造業の援助を期待しているボツワナ大統領と、アフリカは資源があるが産業のない貧しい国、のような偏見が伺える我が国首相との間に、微妙な温度差を感じてしまうのである。
首相はボツワナジンバブエの区別がついていないのではないだろうか。
一応国レベルで、首相の無知蒙昧な資源開発援助構想だけでなく、インフラ整備などの援助協力なども行われるようであるが、それにしても「資源開発」の方を重視しているかのような感覚というか、視点というかはチラチラ見え隠れする。
こういうところに、日本の、相手国の内実、得意分野、期待と、不得手なところ、将来性との兼ね合いをちゃんと見据えていない、金だけ出せば援助になる、と考えているような短絡さを感じてしまうのだ。
ナミビアボツワナモザンビークといった国々は、もっと真剣に実のある友好を考えていくべきだと思うんだがなぁ。。。