火星の月の下で

日記がわり。

ラノベと少女小説

少女小説をライトノベルに含めたがる人は現代の読者としての視点しか持っていない
togetterの記事をリンクするのはいささか腰がひけるのだが、うちに来たリンク元を辿ってくとここに出た(この人がリンクしたという意味ではない)のと、面白そうなテーマだったのでほんの少しだけ乗っかってみようかな、と。
この発端になっている作家さんの発言のポイントがどこにあるのか今ひとつ見分けづらくて、何をもってそう言うのか、というのが見えづらい。
これはついったの宿命なのかも知れないが、ただただ感想を書いているだけのように見える。
したがって根拠がはっきり見えないので(しかもやっかいなことに「ない」のではなく「あるけど表現されていない」と言う感じなので)発端になったこの人の発言に対して、賛成反対という自身のスタンスがものすごく取りにくい。
下の方で、当人が去った後いろいろと感想が書かれているが概ね反発的否定的なのも、そのよるべというべき根拠が明示されていないからではないだろうか。
この人の意見を離れて、「少女小説ライトノベルに含まれるか否か」という問題について。
個人的な感想としては、現代の分布状況という点では肯定的、歴史的には否定的、というところだろうか。だってコバルト文庫が誕生したときライトノベルってことばはまだなかったわけだしね。
少女小説をどこまで含めるか、という点については、ライトノベルとしての立ち位置で考えているのだから、遡ってもコバルト文庫までで、「少女小説」というとき吉屋信子あたりまで遡るのが通例となっているけど、あんまり昔に遡ってはいけない。定義としては不十分だけど。
コバルト文庫と言ってもよく知られているように、黎明期のときは投稿作品のアンソロがあったり、男性作家の青春小説があったりもしたので黎明期から少女小説がかっちりスタート、というわけでもないだろうし、その辺の境界線は曖昧で、まぁ、大ヒットした『マリみて』前後の頃からかな、という感じ。私見としては新井素子氷室冴子以降、と考えたいけど。
で、内容としてとらえてみれば、当然ライトノベルの一翼でしょう、と思うわけだ。
むしろライトノベルの方がジャンルとしては少女小説よりも狭いと感じるときがあって、その童貞向けラノベが扱っているジャンルからはみ出してしまっている少女小説のジャンルが含まれない、というのだったら、条件つきで首肯できなくもない・・・かな。でもこの発端の人は、そういった特殊な一ジャンルではなく少女小説全体でとらえているみたいだしなぁ・・・。
ジャンル論は不毛だからやめた方が良いし取り上げるべきではないんだけど、常々ラノベ読み、ラノベ好きと公言している人が、コバルト等の少女小説をまったく読んでいない、言及しない(マリみてを除く)のを見て、それっていかがなものでしょうか、と感じていたりするので、こういうのはその真逆をやって正当化しようとしているように感じるので、ちょっとどうかな、と思ってしまうのでありました。