火星の月の下で

日記がわり。

◎ゴジラ(昭29)

夏コミから帰ってきて漫然とCS見てたら、日本映画チャンネルで『ゴジラ(昭29)』をやってたので、鑑賞。
既にもう何十回となく見ているけど、何度見ても面白い。
当時画期的だったと言われた特撮や映像処理なんかはさすがに古色蒼然となってしまっているけど、モノクロの迫力がいかんなく出てて、画面から受ける迫力は21世紀の今となっても感動級。
子供の頃は「ゴジラというキャラクター」を鑑賞していたような記憶だったんだが、大人になるとむしろ人間側のドラマ、世捨て人のような芹沢博士や生物学的見地からゴジラ退治に難色を示す山根博士と行った個性の強い人物はもちろん、娘を抱きかかえながら「お父ちゃんのところへ行こうね」と行って散っていく母娘、負傷者収容所で被曝検査を受けるこども、両親の死に泣くこども、テレビ塔でのアナウンサーなどに関心が移っていった。
そして今、老齢になってくるとゴジラをキャラクターというよりも「災厄の現象」として見てしまう。
燃えさかる大都市、そこにぬっとたつ巨大な姿等、かつては畏怖すべきキャラクターとして見えていたものが、地震や空襲といった災厄の現象として見えてしまう。
それゆえに、人智の及ばぬ無慈悲な力によって押しつぶされていく姿に感動を誘われる。
しかもそれが最後には、遅れてきた人智、芹沢博士とオキシジェンデストロイヤーによって幕が引かれる、という構成で、見ていて本当に面白いし。こちらの年齢とか知見とかによっても新しい発見があったりする、というあたり、日本映画に燦然と輝く傑作というのを改めて思い知らされた。
やはりたとえ怪獣映画であっても、人間が描けている、ということが大事なんだろうね。
明日は昼12時半から『ゴジラの逆襲』があるようだ。