火星の月の下で

日記がわり。

電脳将棋の傲慢さ

将棋ソフト「Ponanza」作者、羽生名人との対局を希望。クラウドファンディングでの資金調達も計画
スラドさんのとこより。
電王戦が始まった頃からうすうす感じていた、ソフト制作チームの傲慢さ、尊大さ。
全部が全部でもないだろうし、たぶんプロ棋士と対局させたソフトの連中限定だと思うが、なんでこうも傲慢なのか。
自分達は高名な棋士と対局すれば名もあがるし、データもとれる。しかもそれで自分のソフトが勝ちでもすれば、何か棋士よりも偉くなったかのような錯覚発言が出てくる。(Ponanzaの人ではなかったけど)
しかし連盟側はともかく、棋士側にはメリットがないあまりない。全くないとまでは言わないが。
将棋を愛し、棋士を応援している者すらも小馬鹿にされていてたいへん不愉快だったが、それがここにきて究極の増長発言。
私自身は羽生さんの棋譜棋士の仕事がそれほど好きってわけではない、もちろん嫌いとか評価していない、という意味ではなくて、他にもっと好きな棋士がいる、という程度の意味だが、それでもその業績には素直に頭を垂れるし、偉大な記録であること、そして偉大な業績であることを微塵も疑ったことはない。
人間として、到底届かぬ高みにいる人という意識もある。
電王戦に出てくる連中に、そういう棋士への敬意、というのが微塵も感じられない、というのがしばしばあって「○○と対局させろ」というのは、傲慢を通り越して、将棋文化に対する冒涜ではないかと思う。
棋士はまず棋士になるだけで、奨励会という過酷なレースをくぐり抜けている。
今はC級2組を出られずに何年も経つ棋士、フリークラスに転落した棋士、老齢になってまったくふるわなくなってしまった棋士、そういう人達だって、あの奨励会を突破してきた人達なのだ。
そういう人達と対局させろ、というのなら、まず奨励会の中に入ってしかるべき対局料を支払って18局指してもらい、しかるのちのC級下位棋士から対局させて頂くのが筋なのではないか。あ、もちろん本人が、ではなくそのソフトが、であるけど。
タイトルホルダークラスに平手で指導対局してもらうのだから、その間の新聞棋戦対局料を全て負担するくらいの対局料を払ってもらうくらいでないと、割が合わない、いやたぶんそれでも全然足りないだろう。
ここ数年の電王戦その他で、連盟が若手有望棋士や上位棋士を出したのが失敗だったのだと思う。
あれでソフト制作者達がズに乗り始めたのではないか、という気がする。