火星の月の下で

日記がわり。

クロンマーの木管協奏曲

古典派後期の作曲家、フランツ・クロンマーのクラリネット協奏曲とオーボエ協奏曲を聴く。
時代的は初期ロマン派ともかちあっているのだが、作品は成熟期古典派のそれで、ハイドンがもっと時代の波で進化していたらこんな風になっていたのかな、と思わせてくれる。
ヴァイオリン作品や室内楽、とりわけ弦楽四重奏、五重奏に数多くの作品が残っていて、昔はそっちを聞いていたが、ようつべに有名な2曲の木管協奏曲があがっていたので、鑑賞。
クラリネット協奏曲と言うと圧倒的にモーツアルトものが有名だけど、パッセージを多用してクラリネットという楽器の魅力を引き出してくれている、という点ではこのクロンマーの曲の方が上かも知れない。
もちろん音楽として、ということなら当然のごとくモーツァルトの方に軍配があがるところではあるが、このクロンマーの曲も、そのクラリネットの扱いのうまさでもってなかなか魅力的。
オーボエ協奏曲もクラリネット協奏曲ほどではないにしても、パッセージの多用がこの楽器の魅力を良く出してくれていると思う。
一般にオーボエ協奏曲というと、バロックを除けばモーツァルトとR・シュトラウスの曲が有名だが、私としてはモーツァルトとベルリーニの二楽章作品の方が好きだった。
この作品はそれに継ぐものとして入れてもいいかな、という気持ち。
どちらも長調曲で曲想は明るく貴族のサロン的だが、同時に既に迫りつつあったロマン派の影も少しだけかぎとることができる。