火星の月の下で

日記がわり。

◎『響け!ユーフォニアム』原作第2巻

ようやく書店に入ったので、購読。
予想していた以上にオーボエの娘にスポットが当たっててびっくり。
ただまぁアニメから入った人間としては、麗奈の「意気地なしの男はあかんと思う」(94頁)の方が面白かったけど。男、っていうのは滝先生のことではなく塚本くんのことね。
そしてラストのエピローグ。
前日の事件から関西大会にかけての展開、結末は途中でかなり予想できてしまうのだけど、それでもなお引きつけられる面白さ。
進め方は大衆小説みたいだけど、それぞれの気持がちゃんと伝わってきて、原作者は若いのになかなかうまいと思う。
で、吹奏楽の中におけるオーボエについて。
作中でも少し出てくるけど、木管楽器の中ではたぶん一番難しい、というのは同意。
ただしフリュートと同じくらい歴史の古い楽器なので、その難易度のわりには演奏方法とかは整理されているし、バロック初期の頃から名曲が多い。
そんなわけでどちらかというと、弦主体の合奏(室内楽管弦楽)等での出番が多い印象なので、吹奏楽の中にあると少し不思議な気分になる。違和感まではいかないけど。
ところがそれを逆にうまく利用して、オーボエがみぞれ一人しかいない、そして課題曲の方にオーボエソロが必要とされている、というのをはさみこんで、うまく物語の中に溶け込ませている。
金管が主体になる吹奏楽で、オーボエのソロかぁ、と、かなり好奇心を刺戟されるところで、室内楽管弦楽だと即座にそういった場面が想像できるのだが吹奏楽だとその曲を知っていないとちょっと想像しづらい。
オーボエ担当が「鎧塚みぞれ」・・・作中でも「珍しい苗字」と出てくるが、名字検索にかけてみると、全国で400人程度、富山県射水市が起源らしい。
そんなみぞれちゃんのドラマもなかなか良かったので、たぶんこのアニメでは第2期でもない限り描かれないとは思うけど、読んでて楽しい作品でございました。