火星の月の下で

日記がわり。

孤独の質

歌謡チャンネルをぼんやり流していると、どうしても自分が若かったころのナツメロ系に耳が動く。とはいっても、演歌は昔も今も好きじゃないけど。
今も昔も、愛だの恋だのがテーマの曲が多いが、孤独を歌ったものがいくつか耳につく。
孤独といっても、単に好きな人が身近にいない、失恋した、とかっていう低レベルなものもあるけど、この孤独というテーマは今でも通用しそうではある。
ただ、その「孤独」に対する感性が今と半世紀前とでは少し違ってくる。
昭和から平成の頭くらいにかけては、孤独はつらいもの、という認識が前提にあったように思う。
それに対して現代の孤独は、もっと軽い。
場合によっては「孤独を楽しむ」というスタンスさえある。
ここに大都会への一極集中も見えるような気がする。
すなわち、都市部では、孤独というものが価値を持ち始めている、ということ。
孤独が、人との接触を一切絶った仙人みたいな状況になっているのではなく、周囲に人がいるのが当たり前の状況下で、自分を保つ、という意味での孤独。

好いた惚れたの価値感が、昔ほど強くはなくなってしまった現在。
個としてのありようこそが、現代の心情なのかもしれない。