火星の月の下で

日記がわり。

ドルシェツキのオーボエとティンパニ

以前書いたので、ついった だったかブログだったか忘れてしまったので、二度書きになってたら、すまぬ。

ゲオルク・ドルシェツキ。(1745-1819)
18世紀後半から19世紀初頭にかけて活躍した、古典派の作曲家。
自身はオーボエ奏者として活躍していたので、たぶん同時代的にはオーボエ奏者。
しかし現代では、数多くの古典派協奏曲の作曲家として名前が残っている。

オーボエ奏者だけあって、オーボエ協奏曲が代表作とみられ、いかにも古典派、と言った感じの音楽を残してくれた。
だが、一部の愛好家で注目されているのは、ティンパニ管弦楽の作品。
いくつか数はあるようだが、やはりティンパニ協奏曲は出色である。

音楽における古典派時代というのは、さまざまな新しい楽器がメジャーになっていくプロセスでもあったので、実に多くの楽器の協奏曲が生まれた。
ティンパニ協奏曲、という現代ではあまり知名度の高くないスタイルもこの頃に多く、ドルシェツキ以外にも多くの作曲家が作品を残しているが、いかにも古典派の作品らしいドルシェツキのものが一番耳ざわりが良い様に感じる。
澄んだ空の輝き、早朝の晴れ渡った大気、明瞭な旋律、和声、と言ったあたりが心地よく響いてくる。
ティンパニは演奏中に音階を変えることができないので、あらかじめ調整された数台のティンパニを奏者が叩くことになる。
比較的多いのが六台、八台ではなかろうか。

そして協奏曲形式の場合、カデンツァがある。
このティンパニ協奏曲でもカデンツァがあり、そこで独奏楽器としてのティンパニがドンドコドカドカ、叩きまわるのである。
これは音楽としてだけではなく、ヴィジュアルとしても見ていて面白く、愉しくなるところである。

ドルシェツキーはこの他、オーボエティンパニを独奏楽器とした協奏曲も作曲している。
さすがに二重協奏曲となると、モーツァルトの「フルートとハープのための」独奏ハープと同じく、独奏伴奏になってしまうが、それでも独奏楽器としての露出はかなりあり、聞いていてこちらもなかなかの名曲である。

あまり著名な作曲家ではないけど、良い音楽を残してくれていると思う。