火星の月の下で

日記がわり。

◎ウインダリア

アニマックスにて、ウィンダリアを見る。と言っても、既に何度も見てはいるし、ビデオ、LD、ともにソフトは購入している。
というわけで、寝っころがって、流し見してたのだけど、けっこう覚えているもんだ、っていうか、ほぼ全シーン記憶にありました。
OVA黎明期、というにはジャンルが誕生*1してから少し時間はたっていたけど、2005年の現在から見れば、まぁ、黎明期、と言ってもいいでしょう。・・・黄金期、の方がよかったかな?(^_^; 
キャラデ・いのまたむつみ。もうこれに尽きるかな。今見ても、キャラ造形の素晴らしさには舌を巻く。流麗というか、審美的というか、それでいて個々のラインは極めてシンプルで、円を基調にした基本的なデザイン。これはもうセンスとしか言いようがない。
実際のいのまた氏がアニメに関わっていた時間というのは、比較的早くイラストレーターの方に転出してしまったせいか、けっこう短い。テレビ作品で言うとバルディオスアクロバンチあたりからからサイバーフォーミュラまでくらいで、サイバーフォーミュラはもうイラストレーターに転進した後、少し帰ってきていた、という程度。従ってテレビ作品としてはプラレス3四郎前後の数年間だろう。ウィンダリアは、そのいのまた人気の絶頂、そして転向直前くらいだったと記憶している。あと、イラストレーター転向以後に、宇宙皇子とかもあるけど、実際に関わっていた作品は少ない。それゆえ、今日でも、こと作画に関しては十分見れる本作は貴重だと思う。
一方お話に関しては、当時から「結末が、まんま『雨月物語』」と言われてたし、2つの恋物語の平行のさせ方が、あまりかみあっていないので散漫な印象は否めない。欧州中世風の舞台背景(とはいっても、変な武器とか空艇とか出てくるのでSFとも見れるけど)、社会組織、そういった異世界ものファンタジーの基盤、というか源初期の作りではあるけれど、この分野はその後大きく多方面に発展してしまったので、現在の視点で見ると、ほとんど新しさもなくなってしまった。やはり、いのまたキャラデの本作、が正しい認識であろう。
とまぁ、そんなことをつらつら考えながら、見てしまった。
そういったことを考えてしまうこと自体が既に歴史的作品になってしまっているのかもしれないが、作画については、今でも十分楽しめたのだ。単発のOVAが商売として成立させがたくなっている今、いろいろ郷愁があったりもしたしね。

*1:OVA第1作は、よく知られているように、83年のダロス。ウィンダリアは86年の作。