火星の月の下で

日記がわり。

グリルパルツァー・レクラム文庫版

レクラムの棚を整理してたら、グリルパルツァーとかライムントとかがパラパラ出てきた。
懐かしくなって拾い読み。・・・けっこう覚えてるもんだ。
オーストリア演劇に凝ってたのって、20代後半の頃。当時はライムントの目くるめく妖精芝居に夢中になってたけど、今読み直すと、グリルパルツァーの深い諦念に満ちた人生ドラマは適度に苦くていいですなぁ。
拾い読みだったんで、通読はしてないけど、晩年の「リブッサ」とか「トレドのユダヤ女」なんか、しびれます。
文学史的には、「金羊皮」三部作とか、「サッフォー」「海の波恋の波」なんだろうけど、世に絶望して、ヒッキー状態になった晩年の、自分のために書いた、といわれる戯曲群はいい味わいです。
時間ができたら、通読してみましょう、うん。
戯曲じゃないけど、私の好きな詩『夢魔Incubus)』の冒頭を書いて終わろう。
おまえは問うのか、やつの名を
あの漆黒の霊の名を
おれの胸に巣喰い
おれを陰鬱にし蒼白にするやつの名を

やつは呼ばれる 不和(ウンフリート)と
自ら平和を知らず
人の胸にも平和を許さず
その胸にただ燃えるのみ

やつはおれの胸に棲み
おれを陰鬱にし蒼白にし
おれに安息を二度と許さぬ
ひとたびおれをつかまえたれば
・・・・

拙訳です。全然韻文調になってないけど、まぁ、意味をおいかけただけ、ということで。(^_^;