火星の月の下で

日記がわり。

○カムイ外伝@時代劇チャンネル

今月から時代劇チャンネルで、カムイ外伝が始まっている。昨日、第3話『月影』が終了した。
カムイ外伝といえば、いろいろと問題のあった初期の『五つ』とか、差別用語問題があった『黒鍬』、当時としてはエチィ場面があった『月日貝』といった話の方が作品本来の味付けとは別に有名になってしまったけど、忍者の技術スキルを存分に描いてくれた、第2話『飯綱落とし』第3話『月影』第4話『むささび』の初期3話は、純粋忍者マンガ(この言い方もちょっと変だけど)としてかなり楽しめる好編といえるつくりで、前半の中ではけっこう好きな話である。
第1話で、カムイの「変移抜刀霞斬り」が描かれ、第2話でその霞斬りを封じるため、樹間に戦いの場を映したマシラ一族が、新たな秘術「飯綱落とし」で全滅させられる。
第3話では、第3の刺客として現れた月影が「忍法カゲリ(影裏)」で、カムイに挑むが、原因不明のまま、その術が効かず、敗れてしまう。
そして第4話、その倒された月影の姪と甥にあたるムササビ姉弟がカムイに挑戦してくるが、弟は緩めの飯綱落としを喰らって白痴にされ、姉は捨て身の秘術を敢行するが、またしても敗れる。そこで、カゲリの術が効かなかった秘密があかされるのである。
この辺の、秘術の理屈と、そのたたみかけはなかなか面白くて、見ていて手に汗握ったものだったが、特に第4話のムササビ姉弟の姉の方の早苗、これがけっこう良かった記憶がある。
白土マンガに出てくる女達は、けっこう「性」を武器とする、あるいはその定めに殉じていく、といった趣が強いので、今風の萌えからは少し遠い女性が多い。
一連のスガル短編集なども、そういった、女の肉体の限界の悲しさが描かれ、作品としてはとてもよく出来ているのだが、萌え、というのにはちょっと遠いような気がする。
来週放映の第4話の早苗も、もちろん萌え、という範疇には入らないが、肉親の仇を討つため、もはや抜け忍を討つ、という命令よりも、その復讐心から自らの命を賭してカムイに挑み、そして敗れていく姿には、今の萌えに深いところでつながっているような切なさを感じてしまうのだ。姉じゃなく、妹だったらもっとはっきりしてた、とは思うけどね。(^_^;
ともあれ、前半では一番好きなエピソードなんで、楽しみに待つとしよう。
後半には、16話『抜け忍』あたりにまたそういう秘術が散りばめられてくるし、ラストでは、あのスガルが結婚して娘を作っている、というなかなか凝ったエピソードも出てくる。
時代劇専門チャンネルは、前回の佐武と市に引き続き、なかなか良い作品をやってくれている。
冒頭の白土マンガをコマ組で音を乗せた「フハハハハハ」というのも、妖怪モノみたいでなかなか面白いし、注目しているところ。