火星の月の下で

日記がわり。

◎月影兵庫 第4話〜第6話

昨日に続いて、第4話から第6話の簡単な感想、追加。
ちなみに時代劇チャンネルの方では、昨日の金曜日の段階で、第10話まで放送。
昨日書き忘れていたけど、1クール、第13話までは玉川良一がナレーションを入れている。
初期の頃の、割とシリアス味の強いとき、まだ半次の軽いドタバタは控えめだったので、この玉川ナレーションが適度につっこみをいれつつ「軽い」方を担当していたようだ。
その意味では『オオカミさんと七人の仲間たち』の黒子ナレーションに近いものがあるかな、まぁ『月影兵庫』では玉川ナレーションに作中人物がからみあう、というカオスなことはやってないが。(^_^;
第4話「黒い霧が流れていた」:第3話と並ぶ、前半の傑作。
旅籠を借り切った4人の凄腕のところに兵庫が流れてくるが、いろいろあって鉄砲監視つきの元つかまってしまう、という第2話によく似た設定だったが、第2話とは決定的に違う点があって、それが凄腕4人の筆頭、人斬り一角の存在。
このエピソード、真正面から「剣豪もの」として描いてあって、一角の常人離れした無類の強さが実に良い味付けになっている。
最後、兵庫と斬り結ぶのだが、兵庫、真正面から斬り合っても押され気味、という大苦戦。
月影兵庫』でこれくらい真正面から堂々と渡り合って苦戦するエピソードがあったとは、ちょっと失念していた。このエピソード自体はぼんやりと覚えていたんだが・・・。
死闘の末一角を倒した兵庫も、九死に一生を得たような蒼白の顔面となり、苦戦の跡、同時にこの一角の驚異的な強さをクローズアップしてくれていた。
また、この一角がスカウトしてきた、というマタギの鉄砲うちの描写も、それほど多くは見せてくれなかったが、実に深いものがあった。
唖で口が効けない、というこの男、一角によると、甲州でスカウトしてきたのだが、「ケモノを撃った数より人を撃った数の方が多いだろう」と言わしめていた。
この辺の深い事情までは語られなかったけど、ぼんやりと伺える背景の恐ろしさを暗示してくれている。近年はこういう演出、とみに減ったからね。
第5話「乙女心はふるえていた」:商売人の倅である少年が見た、父を殺した男、実はそれは母と密通しており、それを知った少年の姉の苦悩、といったあたりが描かれるが、少年の仇討ちを軽く考えて手伝ってやろうとする半次、深い思慮ですべてを知らせることなく解決する兵庫、といった2人のキャラクターの違いが描かれていたが、むしろここで少しだけ語られる兵庫の過去の方が興味深かった。
「おまえは初めて人を斬ったときのことを覚えているか」と半次に語り、
「おれは19の時だった。辻斬りを斬って殺した。今でも夢に見る」みたいなことを語るのである。
第1話から第3話くらいまで、玉川ナレで「どうせ本名ではございますまい」と語られることとあわせて、興味深いところだ。
このシリーズのラストのオチは、この段階ではまだ決まってなかったと思うけどね。
なお、少年の母役で三条美紀が出ていたのもチェックかな。
少年の姉役が関みどりで、なんか見たことあるなぁ、誰だったっけ、と思ってググッてみたら『少年ケニヤ』で、金髪娘ケートをやってた方でした。(^_^)
第6話「宿場は泣いていた」:お話自体は明確に覚えていたんだけど、狂言まわし役みたいなので、ミス・ワカサが出ていたのは驚いた。
あれ、ミス・ワカサだったのか、としばし見入ってしまう、つうか、若いねぇ。
だがゲスト関連で言うと、なんと言っても後の「赤影さん」坂口祐三郎と、この頃の時代劇の常連さんだった御影京子の2人が特筆かな。
お話は893の抗争、みたいなエピソード。
こんな感じなんだけど、けっこうゲストに、すごい人、マニアックな人気を誇る人が出てくるので、ちょっと驚いている。
第5話には関所の下っ端役で、浮世亭柳平、とん平、なんてのもでてくるし。
この後、第8話では山城新伍が出てきたし、なにげにゲスト陣はいろんな驚きを見せ付けてくれますな。