火星の月の下で

日記がわり。

名人戦移管問題

さて、あれから続報がないので、水面下での交渉か、東西将棋会館での棋士説明会等の展開がされていると思うけど、将棋名人戦・移転問題。
まず、その前に、一部で「名人戦朝日復帰問題」と表記されることがあるようだけど、これは、間違い、とまでは言えないが、ちょっと良い表記とは思えない。確かに、現在の毎日主催に移る前は朝日だったが、そもそも実力名人戦を開始し、主催し、今日の新聞棋戦のスタイルを作ったのは、戦前の毎日新聞である。
有名な「ああ、ついにその日は来た」ですね。
それまで、名人は就任するや終生名人で、十二世小野名人が長命だったため、小野と争った関根十三世が、名人就任時に全盛期の力を失っていて、関西の阪田の「関西名人問題」やら分裂問題やら、いろいろと不都合なことが起こってきた。そして、時の十三世名人・関根が実力制名人を提唱し、退位、という将棋の歴史において革命的な事件が起こったわけ。
これをサポートしたのが毎日(当時はまだ東京日日だったかもしれないが・・・)で、タイトル戦もここに始まるわけだから、新聞棋戦、タイトル戦等の雛型ができた、といえるかもしれない。
戦後、一時朝日に移管したものの、契約金問題でこじれて、朝日がヘソを曲げたため、宙に浮いた名人戦を再び主催したのが毎日だったわけだ。
この2度目の移管のときの騒動は私も少し記憶があり、1年間の順位戦名人戦がとんでしまったのである。
つまり、毎日は、近代将棋の恩人と言っても言い訳で、名人戦以外にも、名人戦が朝日に移管したときに作った王将戦も主催しているし、今回の米長会長の、毎日に対するあまりの不義理は、どう考えても納得がいかない。
連盟は毎年1億の赤字で、それゆえ朝日の多額の契約金の話に乗った、というのが巷間伝えられているけど、もしそれが本当ならゆゆしき事態だと思う。
赤字なら、出費の方、つまり棋士の給与等を減給にするのが筋だと思うのだが、やはり既得権は手放したくない、という発想なのだろう。
しかし、連盟を第3者が運営しているのならともかく、棋士、あるいは引退棋士が運営している以上、収益があがらなければ、リストラをどこでするのか、ということは自明だと思う。
今回の件で、つくづく米長という人間に嫌気がさしているところで、現役時代からあんまり良い印象はなかったけど、現役時代、なぜか棋界では「さわやか流」なんていう、よくわからん称号が生まれていた。
マス・メディアによく露出していたせいで、そっちからの評価もあるのだろう。しかし、それが将棋界のプラスになったかというと、正直首をかしげるところだ。
まぁ、どこか適当なところで手打ちになるんだろうけど、今度の件で、連盟にはつくづく愛想がつきた、というところである。
前にも少し書いたけど、市井の人間が鑑賞として将棋を楽しむのなら、棋譜は別に最新のものでなくてもいいし、コンピューターソフトも発達してきているから、対局相手にもそれほど困らない。むしろ、人間関係の疎ましさを考えたら、ソフトの方がいいような気もする。
なにより、現在のプロ棋界の実力者達の個性のなさにはうんざりさせられるし、どれもこれもコピー将棋全盛で、強いことは強いんだろうけど、「ふーん、あっそ」くらいの感覚しかわかないのも確かだ。
特に現名人の森内の退屈極まりない将棋や、丸山、三浦、郷田、といった、全然魅力を感じない棋譜をしつこく見せられるくらいなら、過去の名棋譜の方がよっぽどありがたい。
トップ棋士で唯一面白い将棋をしてくれる谷川が名人に返り咲いてくれるのなら、という期待も少しあったけど、ちょっとそれは望めそうにない展開になってきた。もういいや、というのが正直な感想。
毎日も、中途半端なところで妥協せずに、王将戦週刊将棋MyCOM将棋もろとも全部やめちゃって、コンピューター将棋や過去の名局の棋譜解説、に終始してもいいんじゃないかな、と思う。
あんな腐った連盟と手を切ってもいいんじゃないかな、って思う。それか、囲碁将棋欄、じゃなく、囲碁チェス欄にしちゃうとかね。