火星の月の下で

日記がわり。

ヴァイオリン協奏曲の歴史的名盤

16日の日記にも書いた、『ヴァイオリン協奏曲の歴史的名盤』が昨日到着した。
なにせ10枚組なので、全部を詳細に聞いたわけではなく、サラッと通して聞いただけなんだけど、思っていたほど録音は悪くはなかった。
とは言っても、30年代のものはさすがに録音状態に差があって、クライスラーの正に歴史的名盤といわれるベートーヴェンニ長調協奏曲などは、正直かなり辛いものがあった。
冒頭のティンパニの連打などは、HMVのレヴューでも書いてる人がいたが、かなりヴォリュームを上げてみても聞き取れないくらい。まぁ、まだ機材とか国によって差があったんだろう、30年代だと、必ずしも新しい方が録音がいい、とは限らないようだった。
そういうのもあったけど、所謂「雑音の彼方から」とか「弦独特の豊穣さ」が損なわれてしまっているとか、そういうのは少なかったと思う。LP時代のSP復刻盤から聞きなれていて、耳に耐性があったから、ってこともあるかもしれないが。
で、一通り聞いてみただけなんで、詳細はまた気にいったものが出てきたときにでも書くけど、第1印象として、ミルシテインのすさまじい技術に舌をまいた。特にメンデルスゾーン。パッセージの軽やかさは、ちょっと現代の人ではやらないような軽ろやかさ、にも関わらず光輝く薫香、現代のトップランクにもってきても遜色なさそうなすごい技術にただただ感銘である。
ミルシテインはLPでもいくつか持っていたけど、メンデルスゾーンは未聴だったので、ものすごく新鮮だった。
反面、メニューインがいかにもギクシャクして聞こえてしまったが、これは録音のせいもあるのかなぁ。歌の部分になると、とたんにかすれたような感じになってしまう。晩年はともかく、この時代の録音だと、こんな音を出す人ではないはずなんだが・・・。
通しで聞いてみて、もう少し聞き込んでみたいと思ったのが、ミルシテインメンデルスゾーン以外だと、アイザック・スターンヴィエニャフスキー2番、ハイフェッツ、フォイアマンのブラームス・ドッペル、イダ・ヘンデルドヴォルザークシゲティのタルティーニかな。
ハイフェッツは大好きなんで、彼の演奏は、それ以外も含めてじっくりともう一度聞きなおしてみる予定である。