火星の月の下で

日記がわり。

タルティーニ作曲ヴァイオリン協奏曲

昨年購入のMasters of Stringsから、第2CD、ジュゼッペ・タルティーニ作曲ヴァイオリン協奏曲ニ短調を聞く。
ヴァイオリン奏鳴曲「悪魔のトリル」で有名なイタリア・バロック期の作曲家だが、私はこの協奏曲の方が好きである。
以下、簡単なCDデータ。
ヴァイオリン協奏曲ニ短調(ジュゼッペ・タルティーニ作曲)
ヴァイオリン:ヨーゼフ・シゲティ
指揮:ヴァルター・ゲール、オケ:不明。1937年録音。
3楽章構成。Allegro−Grave−Prestoの、急−緩−急の構成だが、第1楽章はAllegroと言いつつ、かなりゆったりとしており、中−緩−急、と言った感じ。
バロック期の音楽だが、ヴィヴァルディなんかと違ってメロディラインがメランコリックで、浪漫派に近いものを感じる。
センチメンタルな第1楽章、悲しみの第2楽章、暗い情熱が走り回る第3楽章と、全て短調構成。
戦前の録音ゆえ、オケががさついて聞こえる上に、データとして不明、となってはいるが、シゲティの片鱗はうかがえる。
録音のせいもあって、つややかな演奏とはいいかねるが、朗々と歌う楽器、ヴァイオリンの、悲しみをたたえた高貴さは感じられるところで、けっこういい。
この曲、実はレコード時代にもうひとつの盤で所有しており、レコードタイトルに「魔弓の至芸」と題された、ジノ・フランチェスカッティの名演である。
こちらは現在CD化もされているようだが、はるか昔、これをレコードで聞いたときの感動は今も胸のうちによみがえってくるようだ。
胸をくすぐる青春の甘さにも似た、哀愁の旋律が、適度な湿り気を帯びて心を震わせてくれた。
録音の差があって、公平には比較できないけど、あの名演よりは、少し落ちると思うが、曲のすばらしさは久しぶりに堪能できたところだ。
こんな曲を夜、一人で聞いていると、なんか胸が熱くなっちゃうね・・・。