火星の月の下で

日記がわり。

キミキス最終回にのけぞる

一応関西最速だったんだが、録画視聴のせいで見るのが遅れてしまったキミキス・第24話最終回。
ここまで、第1クールは普通のアニメ、第2クールは演出が実に繊細で、細やかな心理情景をさりげなく表現してくれていて、一気に恋愛ものの名作にまで昇華。
悲しいことにも、作画がついていってないことが多かったので、あくまで第2クールの演出限定であるけど、恋心の喜び、ドキドキ感だけでなく、不安、切なさ、かけひき、失敗、勘違い・・・そういったものを実に鮮やかにに丁寧に見せてくれていて、最近でだとこれだけ真摯に、しかも奇をてらうこともなく細やかな表情を追いかけていた作品はちょっと珍しいと思った。
そんなわけで最終回、楽しみにしてたんだけど・・・。
正直ひっくり返ったヨ。(笑)
恋愛ルートが当初3つあって、高2の光一ルート(これがたぶん主人公)高2の一輝ルート(立ち位置はサブだけど、実質第2主人公)高3の摩央(当初はヒロイン格というより、光一、一輝と同格スタート)とあって、途中から摩央ルートが崩れてきて光一ルートに合流しかかる。
しかしまぁ、第1クールで、つきあいだすまでのプロセスを延々やっていたことを思うと、いろんな切なさを引きずりながらも、光一君はおとなしくて純で優しい結美とむすばれるものだと思ってた。幼馴染ではなく、成長した姿として選んだ一個の人格、っていうテーマもあったしね。
ところが最終回、フタをあけてみればびっくりの光一ルート。
キャンプファイヤーの時に、結美を教室に呼び出して、
「ごめん」
「ぼくが好きなのは摩央ねーちゃんなんだ」
・・・・おい、それはアリなのか?(^_^;
しかもこの後の結美ちゃん。
「ありがとう、ほんとのことを言ってくれて」
いい娘すぎるラスト・・・うーん、どうなんかなぁ。
想うに、主人公は、おそらく原作でも一番人気であろう摩央とひっつけないと原作ファンの支持が得られない、という意図だったのかも、と思ったんだけど、アニメを見ている側としては、「これは、ちょっとひどい」と感じてしまうわけなのだ。
まぁ、ハッピーエンド信者っていうわけでもないし、悲劇で終っても、ヤンデレ殺戮エンドで終っても、作品としての筋が通ってればそんなにひどいとは思わないんだけど、これはいままでの流れをブッタ切ってる上に、悲劇を悲劇に見せず、きれいきれいに隠蔽しているような姿勢が垣間見えるので、どうなんかなぁ、という気がしてしまったのだ。
面白かったのが、公式サイトに載っている、声優さんたちの最終話アフレコ後のコメント。
主人公・光一役の日野聡さん。
(最終話の収録を終えての感想をお教えください・・・に対して)
>個人的には最悪な男になったかな?って感じの告白でした(笑)。
自分の役だしそうそうあしざまには言えないけど、これって相当批判してるよね。その後、こういう恋愛も現実にはあるし、みたいなフォローは入れてるけど。
相手役、結美役の小清水亜美さん。
(光一と一輝にビシっと一言お願いします。光一へ、に対して)
>何も言葉がありません。
まぁ、そうだよなぁ・・・。
出演した作品のキャラクターについて、悪くはいえない、っていうのを考えると、ほとんど最大限といって言い批判、のように思うんだけど。
まぁ、発言者の普段からの言い方、というのはひとまずここでおくとしても。
摩央役の池澤春菜さん。
(光一と一輝にビシっと一言お願いします。光一へ、に対して)
>時として中途半端な優しさは人を傷つけます。大事なものをしっかり守れるように、優しくて強い男になってね。
これも・・・ほめてないよね、さすがにキャリアがあるだけに、あからさまには言ってないけど・・・。
一輝の妹・菜々役の野川さくらさん。
(光一と一輝にビシっと一言お願いします。光一へ、に対して)
>最後にちょっとひどくないですか…? いい人だと思っていたのに…。涙
あまりにストレートだけど・・・まぁ、CV陣の心の声というか、総意みたいな気がするなぁ。
その他、うどんちゃん役の水橋さんには「要再修業」って言われてるし、川田先生役の川澄さんにも、まぁ、しゃあないか、みたいなニュアンスされてるし・・・。
製作サイドの意図、っていうのを聞いてみたい、と久しぶりに思った結末だったのう。(^_^;
アニメブログの方にも書いたので、全体のカバーとかはしないけど、このルート以外、特に一輝くんルートはけっこういいエンディングだったと思う。いくつか成長の後も見られたし、なんつっても瑛理子っていうキャラの深さが、回を追うごとにどんどん緻密になっていくすばらしさは、本作の演出としてのうまさを実感させてくれたし。あと、明日夏なんかもいい描写が多かった。
それにしても、ほとんどの人が「自分と似てるキャラは?」という質問に、「ない」もしくは違うキャラをあげてたのに、瑛理子役の田中理恵さんだけは、しっかりと「瑛理子かも知れません」と自分の担当キャラを挙げていたのはさすがでした。
視聴中、キャラかぶってるなぁ、と一番思った配役でしたので。(笑)
全体としては良い作品の部類に入ると思ってただけに、光一ルートの無慈悲な選択には、驚かされた、という記録は残しておきませう。