火星の月の下で

日記がわり。

国後狼の可能性

全然ペットネタじゃないんだけど、動物ネタはこのタグを使ってるので。
白いヒグマ 撮った! 国後島・・・この記事にちょっと気になることが書かれていたので、少しだけ。

大泰司団長によると、白いヒグマは世界でも確認されているのは国後島択捉島だけ。
両島にはオオカミが生息した形跡がなく、体毛が白い方が河川をのぼるサケやマスに警戒されにくい点などから一定数の白いヒグマが生息していると考えられるという。

白いヒグマについてはそれほど興味もないので、まぁ、稀少種なら保護した方がいいんだろなぁ、くらいのぼんやりとした感想しかないんだけど、
>両島にはオオカミが生息した形跡がなく
この一節にはちょっとビビッときてしまったわけだ。
近年国後島に狼が生存しているのではないか、という報告が、けっこう出てるんだけど、そのあたりは無視ですか?
確かに、未調査の面も多いので、狼の存在が確認されたわけではないが、かなり強い可能性が示唆されているので、「オオカミが生息した形跡がなく」と言い切ってしまうのはいかがなものか。
以前にも、国後島の生物について書いたときに少し触れたけど、仮にこの国後狼の存在が確認されたとしても、たぶん絶滅したとされるニホンオオカミではなく、エゾオオカミの亜種である可能性が高いらしい。
従って、これをもってニホンオオカミの復活云々、みたいな考えは早計であるけど、こういういい加減な情報で記事を起こすべきではない、と思うんだけどなぁ。
「うそ、おおげさ、まぎらわしい」のアサヒるアカピらしい記事、と言えばそれまでだけど、こういった自然関係の記事はちゃんと調べて書いてほしいもんであるな。
自然環境破壊の先鋒新聞とはいえ、あまりにもお粗末であることよ。
で、ついでになにげなくネットで検索してみたら、ニホンオオカミもまだ絶滅していない可能性があるらしい。
環境省はニホンオオカミを調査しろ!
ただし、ここに記載されている目撃情報が正しかったとしても、種を維持するだけの集団数がいるのかどうか、ということを考えると「ほぼ絶滅」という言い方は正しいだろうと思う。
もどし交配なんてのも、我々爬虫類飼育者の間ではよく行われることではあるが、中型哺乳類みたいな高等な種でどこまで現実性があるのか、やや疑問である*1。もし現実性があるのなら、それはそれで良いことなんだが・・・。

*1:よく知られているように、亜種との交配は生殖能力を低下させることが多く、種としての維持はかなり困難。通常の「もどし交配」は同一種内での地域変異や、個体変異間で行われる。