火星の月の下で

日記がわり。

現役最年長・有吉九段、引退

昨年、若手強豪・高崎四段を破っての残留で感動させてくれた有吉九段が、順位戦・最終局を待たずに降級、年齢制限のため、自動的に引退。
まだ順位戦・最終局をはじめ、いくつか棋戦を残しているので、ここで即・生涯成績が決定するわけでもないが、一応来月末をもって引退、という形になる。
去年、高崎四段を破って引退を回避したときにも少し触れたけど、有吉九段の筋の良い居飛車にはいろいろと勉強させてもらった。
長い間、お疲れさまでした、そして素晴らしい棋譜の数々をありがとう、と言いたい気持ち。
若い頃「火の玉流」といわれ、序盤で巧妙に陣形をくみ上げ、後半になってガンガン攻める、いかにも正統派の「強い将棋」の時代もたいそう魅力的だったが、どちらかというと、50の坂を越えてから20連勝した前後の頃の、独特の序盤構成、正統的としかいいようがないきれいな終盤術、の方にいろいろと感銘を受けた。
60歳までA級にいたものの、転落してからは速かった印象だけど、それでも14年かかったわけだから、年齢から受ける「老い」というイメージはあまりなかった。
数年前、NHK杯で田中寅九段に勝ったときの若々しい将棋なんかも印象的だったし。
唯一残念なのは、現役最高齢記録を更新できなかったこと。
たしか丸田九段の77歳が現役最高齢記録だったと思う。あと3年だった。これがちょっと残念ではあるが。
引退されることにはなってしまったが、有吉九段が残してくれた名棋譜の数々は、我々愛棋家の宝である。
現役ではなくなっても、今後とも若手のよき範、そして我々古い将棋ファンの光であってほしいと思う。