火星の月の下で

日記がわり。

升田幸三賞に超速▲3七銀

少し遅れてしまったが、今絶賛流行中の「対ゴキゲン中飛車・超速▲3七銀」先鋒、通称「超速」戦法が、升田幸三賞を受賞したので、それについて少し。
ゴキゲン中飛車、通称ゴキ中なんだが、最近は先手でも応用されるようになってきて、将棋チャンネルの「最新対局」「タイトル戦解説」「銀河戦」でも、頻繁に登場し、もう見ない日はない、というくらいの一大潮流になりつつある感じだったんだが、その対抗策として、▲3七銀から出ていく先手の対抗策、これもA級で何局が登場してすこぶる勝率が良かったりするので、こちらも絶賛流行中。
この▲3七銀戦法が「超速」と言われている、というのも最近知ったんだけど、考案者というか、出どころは奨励会の星野三段だったらしく、今回の升田幸三賞も、この星野三段に与えられている。
奨励会升田幸三賞受賞はこれが二度目。
居飛車先手番が▲4六歩を突かずに、桂の道筋である3七から出て行く、というのは、アマチュアの民間戦法としてはかなり昔からあったスタイルで、一つ間違えると飛車と桂馬が封じられてしまうけっこう序盤から神経を使う戦法だったけど、この「超速」は、対ゴキ中に絞ってシステムを整理し、プロの棋戦でも通用するようにバランスなんかもうまく整えた戦法。
もっとも、まだそれほど詳細に棋譜ならべをやっているわけではないので「ああ、こういう対策が出てきているんだ」ということくらいしかわからないのだが、将棋の世界の序盤研究の速さ、深さに驚かされることしきり、である。