火星の月の下で

日記がわり。

◎投票企画への疑問

雑誌等の商業メディア媒体でやっている投票企画というのは、広域視聴率調査みたいな側面があるのでさほど気にならないのだけど、ブログ有志に投票を呼びかけているものがここ数年目につくようになって、それははたしていかがなものか、と思うため、それについて少し。
テレビアニメには地域差がある。
この前提があるので、ブログで感想を書いている、あるいは分析とかをやっている人の投票を商業メディア媒体と同じようにやってランクづけをやっていいのかどうか、という疑念がおこる。
視聴率調査などと違い、作品の長短を語る場としての集計にはかなり疑問に思うわけだ。
以下に気になる点をいくつか。
1.投票者ははたして全ての作品を見ているのか。
これはたぶんほとんど一人もいないのではなかろうか。
プロのライターだってたぶん全部は見ていない。
ある程度の噂によって切り分けたあとの人気投票である、という点にひっかかるわけで、そのためキッズアニメやファンの声が小さい佳作はまず上がらない。
2.まとめサイトは大半が男性である。
上の点とかなり共通項があるが、これによって「男性視点」により作品を噂が切り分けてしまう。
よって女子向けの佳作はまず上がってこないし、仮に上がってきたとしてもそれは大半が男性視点に媚びた形になっている。
3.上で書いた地域差。
放映していない作品だと評価できない。
最近は衛星放送が充実してきたしウェブで見られるものも増えたが、衛星はまだしもウェブ放送を定期的に見られる人というのはかなり限られる。
4.アマチュアの視聴者では作画情報を知り得ない。
これは自分が短期間とはえプロ側にいた時期があるのでわかるのだが、アマチュアになってしまうとどのパート、カットを誰が作画したか、というのはかなりわかりにくい。
せいぜい作監とスタジオ、参加している原画家の名前くらいである。
それっぽいアマチュア分析サイトもあるにはあるが、それとてほんの一部しかできない。
よって作画評価というのは単に自分の好みをランキングするだけで、それを集計対象としてしまっていいのかどうか。
5.平準化の危険性。
週に10本未満しか見ていない人と、30本以上見ている人の比較分析感想等を同列に扱っていいのかどうか。
これも視聴率的な商業メディアの調査なら問題なかろうけど、意見つきで募集しながらなおかつ平準化してしまうというのはかなりの危険性を感じる。
・・・パッと思いつく程度としてはこのあたり。1と5はほぼ同じことかもしれんけど、視点の違い、ということで。
もちろん上に書いたことは、それぞれ個人がやっている分にはなんの問題ないと思うし、私自身も別のところで感想をだらだら書いたりしているが、それを集計対象にしてしまう、という点に甚だ疑問が残る。
もちろん投票・集計をやっている人達はアマチュアだろうと思うので、個々を非難する意図はない。
よってどこの集計、投票、というわけではないが、そういうのをまともに信じちゃいけないよ、というくらいは書き残しておいてもいいかな、と思った次第。
なおあたりまえだが、年度萌えキャラ選手権みたいな最初から評価とかを離れて純然たる人気遊びとしてやっているものについては、上のことは無関係。