火星の月の下で

日記がわり。

○最多勝利に思う

まだポストシーズンのクライマックス・シリーズと日本シリーズは残っているが、セントラル、パシフィック両リーグのシーズンは終了した。
MVPこそまだだが、それぞれの記録が確定した。その中で最多勝利投手について。
パシフィックがオリックスの金子投手で16勝。
最多勝利は20勝を越えてほしい、と毎年の様に思っているのだが、21世紀になって井川(20勝、阪神2003)、斎藤(20勝ダイエー2003)、岩隈(21勝楽天2008)そして昨年の田中(24勝楽天2013)と4人しか出ていないことを考えると、現代野球の中では16勝でもよくがんばった方だろう。
CSがあったため、もう1試合投げられたけど投げなかった、という報道もあったのでそれを加えるとひょっとたら17勝までいっていたかもしれないし。ということで、パシフィックに関して残念ではあるけど仕方ないかな、という気持ち。問題はセントラル。
2014年セントラルの最多勝利者は中日の山井投手と阪神メッセンジャー投手。
両者とも初の最多勝タイトルなのでよかったね、ということなのだが、問題はその数。
13勝で最多勝、というのは、1998年パシフィックの西武・西口、ダイエー武田、ロッテ黒木の3人が13勝で最多勝を分け合って以来の最小数タイ記録。
これはちょっとさすがになぁ・・・という気持ちになってしまったのだ。
現代野球をどのあたりから見るか、というのは各人それぞれ意見もあるだろうけど、投手に関しては私はローテーションが常識になった70年代以降ととらえている。
昔のエースは25勝であたり前、28以上、できれば30くらい勝って最多勝、という感覚だったのだが、その頃とは技術水準が違う。私自身60年代くらいから観戦の記憶があるが、その頃と今と比べてはいけないとは思う。
投手、打者の技術向上もさることながら、上下の実力差が縮まってきたからだ、というのも大きな理由。
昔は優勝球団と最下位球団とのゲーム差が20あるくらいは普通、30以上離れてしまう年もあった。
当然のことながら、上位球団のエースであれば「楽に勝てる」試合が全体の1/4から1/3くらいはあった。ところが今はとてもじゃないが、下位球団であっても「楽に勝てる」試合はほとんどなくなっているだろう。
一試合での消耗も半端なかろうし、それゆえの登板間隔の開きも現代野球なら当然かと思う。
従って年間で先発する試合がローテーション投手でもだいたい30試合くらいが上限と言われている。
タイのまま降板もあるだろうから、その中でエースとしてローテーションを回っていても、勝率8割くらいでようやく20勝に届くかどうか、というところだろう。
それを思うと今年の金子の16勝は最多勝利投手としては十分合格点だと思う。
だがそれでもさすがに13勝で最多勝投手、というのは、かなり寂しい気持ちにさせられる。
投手の肩が消耗品である、という意識は定着して久しいし、体力が一線級である限りは現役を続けてほしいと願うのがファンであろうから、酷使による選手生命の短縮は絶対にしてほしくない、とは思う。一人のファンとして。
ぜいたくを言っている、というのはわかっているつもりだが、それでも13勝っていう数字は、なにかこう釈然としないものがある。
個人的には、たとえ現代野球であっても、最低15勝はして最多勝投手になってほしい、と思うのだが・・・。