火星の月の下で

日記がわり。

◎アニメと経済

2013年のアニメ産業売上は史上最高額に「アニメ産業レポート 2014」刊行記念セミナー

産業レポートによると、2013年のアニメ産業市場(ユーザー市場)の売上は前年比8.7%アップの1兆4913億円で、過去最高だった2008年の1兆4086円を超え史上最高となった。また今回のレポートの特筆すべき点として、新たにライブエンタテインメント(アニソンコンサート・アニメミュージカル、展示会など)の項目が加わった。これは統計上無視できない規模にまで成長したためだという。

・・・ということで、普段の生活の方に経済が反映しているので、体感としてはわかりにくいけれど、産業としては拡大しているらしい。

「アニメ産業の景気について聞くところによると、このままアニメ制作本数は増えて続けていくのではないかと。

こういうショッキングな報告も出てきている。
なにがショッキングかと言うと、現状で既に制作側がパンクしかかっているのに、まだまだ増やせ、という流れだというから。
もう身近に、品質の「緩やかな全体的崩壊」の兆候が見られる。
かつてのように、特定作品、あるいはその中の特定エピソードが「作画崩壊する」「作画破綻する」というレベルではなく、全体が徐々に劣化している、という現象が進行しつつあるからだ。
確かに最先端の部分では、年々品質は向上している。
今期の『甘城ブリリアントパーク』やそれよりは少し落ちるが『神撃のバハムート』などのように、20世紀なら劇場版でも何年かに一本出るかどうかと言う水準のものが毎週テレビで放映されている。
その一方で、昨シーズンになるが『さばげぶっ』のように話は面白いが作画は半世紀前と言われても納得してしまいそうなひどいものが同じ年に放映されているという現状。
20世紀でも同じ年に最先端と落書きみたいな作品が同時に展開することはあったけど、これほどまでに差は広がっていなかった。
そしてその下位が拡大し、上位が先細っていきそうな、そういう傾向が少し出始めている。
しかしまぁ、それはひとまず置く。ここでの主題は経済だから。

「こんなことを言うととんでもないと言われてしまうかもしれないけど」と前置きした上で小野打氏は「ゲーム・マンガ・アニメが産業の根幹になり、そこから建設やファッションなど他産業に派生し広がっていくのではないでしょうか。現にASEAN諸国に輸出されている日本の白物家電にはドラえもんをデザインしたほうが売れるという実績もあります。アニメ頼りという意味ではなく、アニメが世界の羅針盤として、世界を見つめ支えていけるようになれれば」と話してくれた。

実は一番感銘を受けたのはこの部分で、70年代初頭に現場に身を置いていた人間としては、今のライトオタク諸氏が想像もつかないようなひどい職業差別を身近に感じていたから。
でも、そのうち資本がこちらに動いてくるはず、という手応えは、当時から一部の人間にはあった。ほんとにごく一部だったけど。
それは泰西におけるデザイン産業の広がり型、あるいはビジネスとしての自立を見ていたから。
残念ながら、日本ではそういうソフトウェアの基軸化というのはあまり熱心ではなかった、それどころか下に見られていた。
現状では、その蔑視されていた時代に産業を引こうとしていた層があまりに小さかったため、今日に至ってもまだデザイン産業、もっと言うとキャラクターヒジネスがわかっていない人間が最先端にいたり、政治側にいたりしてうまく機能していない。加えてソフト側の人間もそういう政治的交渉、泥臭いかけひきができない。
しかしこれからだと思う。状況はかなり良い方向に向かっていると思う。
同時に現状でこういう動きもあるのだから。
初のマイナス金利=短期国債入札で

財務省が23日実施した償還期間3カ月の国庫短期証券(短期国債)の入札は、平均落札利回りがマイナス0.0037%となった。
日本の国債入札でマイナス金利が付くのは初めて。

こういった情勢の中で、現場をわからない人間が利益のことだけを見て筋からはずれた(でも経済としては一見近道に見える方向へ)誘導しようとする危険性、というのは、今後新たな問題として出てくる可能性があるのではなかろうか。