火星の月の下で

日記がわり。

棋士をも驚愕させた新戦法

棋士をも驚愕させた新戦法とは!? 」
(ps://news.mynavi.jp/article/20200422-1021882/)
これは面白い。
現役のプロ棋士が、プロ棋士の目線で見て驚愕した新戦法。
やはりというか何というか、多くの票を集めたのが藤井システムだったらしい。
藤井システムの登場時、かなり話題になったし、その後の新旧対抗形の歴史をガラッと変えてしまったかのような感覚になってしまったので、歴史に残る新戦法なのは間違いないのだろう。
しかし、将棋の技術や戦法の変化は日進月歩で、常に新しいことが考案され、試されていく世界。
その中で、登場からもうかなりの年月を経ているのにいまだにこの戦法が登場した時の衝撃を、しかもトップ棋士と言われる方々が挙げておられる、というのは、どれだけ斬新で、かつ影響力が強かったのか、というのを今更のように思い知らされる。

私が幼い頃は、この手の新戦法といえばまず第一に、空中戦法。
内藤八段(当時、現九段)が棋聖戦の大舞台で中原棋聖に放った後手からの革新戦法で、これを受けた中原棋聖(当時、現・永世十段、十六世名人)が「何という恐ろしい戦法だろう」ともらしたと伝えられている。
私より上の世代だと、升田式雀刺し、升田式石田流(こちらは空中戦法との間にそれほどの時差はないが)あたりではないかと思うけれど、今ではもうすっかり定跡になってしまい、これら戦法が登場した時の驚愕、感動は既に失われて久しい。
それを思うと、藤井システムの登場の衝撃がいまだ記憶の中で明確に残っている、というのはすごいことだと思う。
しかも藤井システムは定跡が作られて以降も進化し続けているし、我々居飛車党にとっては、アマ・レベルであっても十分研究しておかないとひどい目にあうというくらい、アマでもある程度は模倣できるすぐれものだったりする。
かつての空中戦法や、ここでも上がっている中座飛車、菅井式三間飛車なんかは我々アマチュアではちょっと真似しづらい高等戦術に入る。
その意味でも画期的な戦法だった、というのは、改めて思い知らされるところである。

ちなみに、藤井システム第一号局の犠牲となったのが井上九段なのだが、その井上九段が中座飛車を挙げておられるのも、面白いところですな。