火星の月の下で

日記がわり。

DDRを「東ドイツ」と言うな

たまたまヤンマガwebを見てたら『東独にいた』(ps://yanmaga.jp/comics/東独にいた)というのがあったんで、公開されてるところだけ読んだんだが・・・。
DDRを素材にした漫画やサブカル系小説を読んでいつも感じる調査不足を、ここでも感じた。
公開されている部分だけしか読んでないので、公開されていないところで触れられているのかもしれないけど、DDRの国民が自国のことを「東ドイツ」なんて言わない。
以前も少し書いた(https://maerz.hatenablog.com/entry/20151030/p1)が、戦後ドイツでは、特にDDRでは「中部ドイツ」と言う意識が強く「東ドイツ」なんて言わない。
東ドイツ」というのは、オーデル・ナイセ以東+旧プロイセン地域、つまり戦後ドイツは二分割ではなく三分割されたという意識だったからだ。
実際、70年代から80年代の前半くらいまで、現地の人に「東ドイツ」なんて言おうものなら、身分に関係なく、本気で嫌がられた。
表現の幅があるのでめんどくさいから「東ドイツ」で統一してるけど、もちろんドイツ語で、だけどね。

確かに、ベルリンの壁が崩壊した現在、旧DDR出身者でもそんなことに目くじらは立てなくなったし、壁の崩壊以前においてもBRDの人たちは自分たちのことを「西ドイツ」と言われてもそれほど怒らなかったし、ましてや外国人にとっては東ドイツ、西ドイツ、だったんだろうけど、壁崩壊前の時代を描くのなら、安直に「東ドイツ(東独を含む)」とは言ってほしくないんだよなぁ。
良いブレーンがついてないのかなぁ、という気もしてしまうのだが。
もちろん、外国人である我々がDDRのことを「東ドイツ」「東独」と呼んだり書いたりする分には全然問題ないのだが。

DDRの創作物で私が一番取り上げてほしい、素材にしてほしいと思ってるのが、ピオニール団だ。
ただ残念なことにピオニール団については、現在邦語資料がかなり少なくなってきたので、調査して取り込むのはたいへんなんだろうな、とは思うし、偏見の目以外で扱うには、ホーネッカー時代が悪の時代と刻印されてしまっている現在では難しいとは思うものの、それだけに、当時、DDRに住んでいた少年少女たちの東側体制下での青春を描くのに、かっこうの材料ではなかろうか、と思っているので。
まぁ、そうとう優秀なブレーンがついてないと、難しい素材だろう。
ピオニール団をヒトラーユーゲントみたいに描かれても困るし。
ただ85年頃なら、ピオニール団はけっこう人の口に上がってたので、それほど限られた情報でもなかったのだ。

あとこの作品、絵がきもち悪い。(笑)