火星の月の下で

日記がわり。

シン仮面ライダーを見て来た

『シン仮面ライダー』を見て来た。
夕刻行ったので、親子づれのガキがけっこういたため
「騒がれたらイヤだなぁ」
と心配になったがそういうこともなく、割と普通に画面を見ていたようだ。
と言うのも、恐らく学齢児童だと思うのだが、ところどころで小さな声で
「あれは死んだって意味なん?」(戦闘で倒されてあぶくになるところ)
「なんで死んでしもたん?」(ラストの場面)
など、儂の座席の近くからもれてきた。(R12指定だったので、小学生は親同伴でなければならなかった)
ほとんど聞こえるかどうかだったので、小学生にしては我慢して、というか画面に食い入るように見ていたんだろう。
所謂キッズアニメのような作りではないので、こどもには難しいんじゃねーか、と思ったがそういうこともなく、ちゃんと鑑賞できていたもよう。
「映画館で騒ぐな」いう親のしつけが良いんだろうけど、何組かあった親子づれ、そのすべてがこんな感じで、終幕で旧ライダーのOPやらEDやらが流れている時も席を立たずにおとなしく聞いている。
画面が終了すると、「面白かった」などという子供の声がそこかしこに聞こえてくる。
まぁ、良い映画体験をさせてもらった。

作品そのものの方は、怪人(オーグ)の出し方が少し単調な感じはしたものの、概ねうまく見せてくれていた。
2号ライダーや「ケー」(ロボット刑事Kのデザイン)が良い場所で出てくるなど、年寄りにも配慮してくれた感のある人物構成。
ラスボス「イチロー」や彼が人類に対してやろうとしていたことなんか、『キカイダー』や『ワンセブン』のブレインなんかを思わせてくれたし、どこまで意図的かわからんけど、けっこうニヤニヤさせてくれる要素だった。

「女優をきれいに撮れたら、それだけでその映画は成功」
と言うのは『ポンポさん』に出てくる名セリフの一つだけど、この作でもヒロイン担当の浜辺美波が実に魅力的に撮れていた。
決して恋する女でもないし、女性的魅力をブイブイ言わせるタイプでもないんだけど(そういう役は、サソリオーグとかハチオーグとかだろう)、立ち位置や心情の変化などでその魅力が画面から出てくる。
結末を含めて、あれを「重い」と感じてしまう層がいるのは仕方ないんだろうけど、映画としての作りと考えれば、けっこう良いフィルムになってたのではないだろうか。
もっとも、浜辺美波さんが立っていたり、顔がアップになったりする場面になると
「うわ、咲やん」
とか思ってしまったのは内緒です。

あとパンフレットだが、なかなか良い内部情報があるので、絶対購買しておくべきだ。
「演技にはあんまり注文が出なかったけど、マフラーの巻き方とか、アクション時の足の立ち位置とかは、細かな指示が何度も来た」
ってあたりは、なんか撮影風景が目に浮かぶようでありますな。
庵野さんらしいなぁ、と感じてしまったり。