火星の月の下で

日記がわり。

瀬川アマのプロ試験

銀河戦で、プロをなぎ倒した瀬川アマのプロ試験、18日の佐藤天彦3段戦から始まる6局の詳細が決まった。
奨励会3段の佐藤氏や、女流も交えての6局、うち3勝で、C2クラスの下のフリークラスへと編入が決まる。
試験対局者の6人のうち、大物は久保8段(現役A級)くらいであとは、3段〜5段程度(神吉六段もいるが、一応フリークラスなので)の力量、まぁ、人選としては、ベストとはいえないものの、妥当な線、かな。
結果はどうなるかわからないが(なんとなく、3勝程度はしてしまいそうな気もするけど)もしこれで決まるようなことがあるとすると、奨励会制度になってから、初の事例なのかしら。花村元司の頃*1には、奨励会制度はまだなかったと思うので。
もちろん、花村の時代とは全然違うので、仮に合格しても、とても花村のようなところにまでは行かないと思うけれど、ニュウスにはなるだろう。
ただ、奨励会で、年齢制限の壁と非情な戦いを強いられている、20歳以上の有段者達はどういう目で見つめているのだろう。瀬川アマが、かつて三段リーグに属しながら、年齢制限の壁に泣き退会を余儀なくされたことを思うと、心中穏やかならざるものがあると思うのだが。
私個人の考えとしては、やはりどこかひっかかるものを感じる。
プロになるための道が、奨励会以外にあってもいい、とは思う。晩学で大成する人も(極めて、ほんとに極めて稀だとは思うが)いないこともない、とは思うからだが、それにしては、試験が甘いような気がする。
奨励会の3段リーグは総当りでないにせよ、半年間、18局をこなすのである。既にプロ・アマ戦で、なだたるプロに勝利をおさめた実績があるとはいえ、6局での決着、しかもうち二人はプロ4段ですらないわけなので、甘い試験、という印象がある。さぁ、はたしてどうなるか。注目しておきたいところである。

*1:東海の竜、と恐れられた、花村元司九段は、戦争末期の昭和19年に、異例の五段昇段テストを受けて合格。その後、C級、B級、A級とかけあがり、昭和30年にはそのA級で優勝、名人挑戦者となった。名人戦では、時の大名人、大山の前に0-4で敗れるも、大いにその名を挙げたのである。弟子に、森下九段、深浦八段、らがいる。