火星の月の下で

日記がわり。

マリみて『未来の白地図』

読了。
けっこう動きがあったので、久しぶりに面白い、という実感が持てました。
まだ出たばかりなので、ネタばれになるといけないので、詳しくは書かないけど、みんなの人生にいろいろなことが起こって、いろいろな思惑があって、っていう仕掛けは、なかなかうまい。
普通の少女小説、としても、良い意味で成熟した感じが出ていたのではないか、と。
それと、祐巳の問題、結論が出ないまま次巻以降持ち越し、っていうのは、あのレイニー止めに近い感覚がありますね。ま、あれほどトラジックな展開ではなかったけど。
マリみては、基本的にはハッピーエンドの方へ向かう小説だと思いますが、個人的には、全てが丸くおさまって大団円、とかハッピーエンドとかっていうのは、それほど好きじゃないので、ああいう適度に緊迫感のある展開は、大好きです。
具体的にあげておくと、165ページから、176ページにかけて、ですな。
けっこう、謎というか、未解決の問題が撒かれたし、たぶん本筋と関連してくるんだろうとは思うけど、そういうのが、回収されてはいくんだろうけど、今の時点ではいい盛り上がりだと思ってます。
うん、正直、体育祭以降の悲しいまでのダラダラ展開には、ほとほと愛想がつきかねていたので、これでまた読み続けていこう、という気くらいにはなった、ということにしておこう。
面白かったけど、ウァレンティーヌス〜卒業式にかけてのころの、「屈指の傑作」と思えるところまでは快復してなかったと思うだけに。