火星の月の下で

日記がわり。

熊坂五段の引退決定

【竜王戦】熊坂五段の引退が決定
勝ち残り棋戦が残っている場合、引退規定がどうなっているのか、という点でも問題を出していたが、その曖昧なところに踏み込む前に敗退して、引退決定。
順位戦復帰の要点の一つとして「いいとこ取りで」というのがあり、それがフリークラス規定の年限を超えていた場合適用されるのかどうか、というのがあった。
ネットで話題になってしまったこともあって、主催者側(スポンサーサイド)から違う見解が出ていたりして少し混乱。
どうも連盟規定ではそういう細かなところまでは決めてなかった、というのが実状らしかったけど、果たして実際はどうだったのか、というのが少し残る。
もっともこういう規定を作った時に、まさか引退直前の棋士(普通に考えてその時点で現役最弱)が5割を超えてこんなギリギリのところまで這い上ってくるなんてことは考えられなかったからかもしれないが。
せっかくの話題提供(問題提供とまでは言いたくない)だったので、今後二度とあるかどうかわからんけど、そのあたりはしっかりと詰めておいて欲しい。
さて、その話題の人、熊坂五段。
現行の三段リーグ、フリークラスのシステムが完備してからの最短引退棋士になってしまったわけだが、これまでの13年間で勝ち越したのが6年目(フリークラス3年目、14勝10敗)に一度あるだけで、後は負け越しの連続。
それが最後の年に15勝12敗の最高勝数を記録、しかもその中には現役竜王だった森内竜王(当時)に勝ってしまった、というのがあり、話題騒然・・・いや、将棋ネット界だけ、という話もあるが。(^_^;
最底辺にいる棋士と言えどもプロ四段以上であれば、普通はそこいらの県代表クラスのアマチュアより強いのだが、それはアマとの比較なので、プロの中では弱い方、と言ってもいいだろう。
その棋士がこんな注目を浴びた、というのも少し珍しい例として残るかも知れない。
かつて三段リーグで好成績を収めながら結局四段になれなかった水津三段という奨励会員がいて、そのときも少し話題になったけど、今回のこの熊坂五段に関してはそれ以上だった。
いろんな記録づくめになってしまったので、ニュースヴァリューがあったのも確かだけどね。
掲示板で指摘されてて気付いたのだけど、熊坂五段、水津三段と同い年だったそうだ。
ちなみにフリークラス・三段リーグ制定以前では、順位戦限定だと終戦直後に浅沼一四段が6年で順位戦を脱落、2年半の予備リーグの後に引退、という例があり、これが順位戦以降では最短の引退者ということになる。*1
浅沼四段は二段時点でも特例で順位戦に参加(その翌年から飛び段で四段)しているので、それを入れても9年半で引退なので、将来奨励会次点でフリークラスに上がった棋士順位戦に昇級できなくて引退したとしても10年なので、この記録を更新するのは、死去とか本人の意思による引退とか、そういうのを除けばまず不可能だろう。
もっとも浅沼四段が順位戦に参加していた頃は、特例で二段の棋士が浅沼二段(当時)以外にも参加しているし、4期、5期などはアマ代表も順位戦に参加していたりしたので、同じ基準ではもちろん比較できないが。

*1:同時期、佐藤豊四段もC2と予備クラスを往復したりして、9年で引退している。浅沼と佐藤豊の順位戦対戦成績は、浅沼側から見て6戦して5勝1敗。