火星の月の下で

日記がわり。

現地ではバーミーズと言う

外来種ビルマニシキヘビ、5000匹を排除 米フロリダ州
(ps://www.cnn.co.jp/fringe/35157625.html)・・・元記事。
(ps://news.yahoo.co.jp/articles/a30c7843405f9285f7b56bd77757e81c60d5e917)・・・こちらはYahooの引用記事

アニマルチャンネルでくどいくらいやってる、フロリダ州のパイソン問題。
これ、エバーグレーズがどういうところで、何をやってるのか、ていうことを知ってないとちょっとピンとこないかもしれない。
言わずと知れた、世界最大のブリーダーズマーケットがあるところで、毎年全世界から爬虫類の繁殖家が集まって、自慢のブリーディング個体を競い合うところなのだよ。
もちろん日本からも腕自慢が多数出品し、ここでの動向が世界のペット爬虫類の方向性を決定してしまうところ。
そういう場所なので、現地での動物保護意識はかなり高い。
逃げ出したのが増えていったのは間違いないのだけど、日本の軽薄なバカどもが「育てられなくなって捨てる」と言うのとはちょっと違うのだ。
Yahooの方のコメント欄を見ると、とんでもなく見当はずれなコメントも多いけど、この辺ちゃんと記事ではカバーしておくべきだったのではなかろうか。

では米国で人気の爬虫類は、というと、まず蛇、そしてその中でも大蛇が人気。
と言うことで、ビルマニシキヘビ、現地では「バーミーズ」と呼ばれるが、かなりの人気だった。
日本では愛好家に「ビルマ」と呼ばれることが多いが、もともとはインドニシキヘビの亜種。
ただしインドニシキヘビそのものは保護対象だったりするため、この亜種であるビルマの方がペット市場によく出ていた。
中でもアルビノビルマは90年代頃からかなりの人気で、日本へもけっこう入ってきていた時期があった。

そして天候。
このフロリダ半島というところは、温暖湿潤から熱帯域に属し、大型のパイソンにとっては実に住みやすい気候、繁殖しやすい気候なのだ。
ここまで書けばなぜこうなったのかわかるだろう、「捨てられた」のではなく「脱走した」ビルマが驚異的な繁殖力でもって、爆発的に増えていったのだ。
ビルマニシキヘビの大量繁殖問題は今世紀の初頭くらいから言われていたが、わずか20年弱で、とんでもない数になっている。
バーミーズはパイソンの仲間でも、とりわけ繁殖力が強い。
東南アジアではだいたい40個ほどの産卵だが、このフロリダ州ではよほど環境が良かったのか、その倍、80個前後の卵を産む。
そして生まれた時から天敵や競争相手が少ないこともあり、あまり落ちることなく多くが成獣化する。
そしてだいたい2年から3年で性成熟して、次の子孫を残していく。
そしてこれが現在、ものすごい数になっているのだ。

日本でアカミミガメやブラックバスが増えている、とかっていうのとは規模、被害額が全然違うのだ。
最近では、エバーグレーズを越えて、フロリダ半島を北上しつつあるとも言われていて、いくら狩っても追いつかない状態になりつつある。
この問題、はたして決着をつけられるのだろうか、かなり気にはなっているところである。