火星の月の下で

日記がわり。

民族大移動期のゲルマン諸族

ゴート族とスエービー族については少し触れたけど、全体の概観図についても触れておいた方が、あとあとどのあたりに興味があったのかを反芻する意味でも重要だと思うので、今後の記載目標、程度の意味合いで書いておく。まぁ、あくまで目標なんで、どうなるかはわかんないけど、ブログでの記載だと、重層的に書き残しておける、という利点があると思うので、かぶっても、とにかく書いていきたい、と思う。
記録としては、ローマ側の資料から、紀元前くらいから溯れるようだけど、一応の線引きとしては、帝国末期から、カールの戴冠まで。

ゴート族東ゴート族(Ostrogothi)と西ゴート族(Visigothi)。
民族移動期の主役。東ゴートの方は、一代の英雄王・テオドリックを出したけれど、どちらかというと西ゴートの方が主役に近い。あれだけの距離を移動しながら、8世紀まで命脈を保った。
これだけの移動をし、なおかつ長期間にわたって存続していた、ということはかなりの人口があったのだろうか。(もちろん、他の諸族同様、被征服地の人口の方が格段に多かったはずではあるが)
そこいらへん勉強不足でそれほどまだ詳しくないのだけど、人口や経済についても調べていきたいと思っている。
あと、もちろん重要なウルフィラスのゴート語訳聖書。
そして、イベリア半島に移ってからの、対教会対策。
クローヴィスの改宗とほぼ同時期に、西ゴートでもアタナシウス派正統への改宗を計画していたらしい、なんてのを読むと、歴史の「もしも・・・だったら」を考えてしまう。

ヴァンダル族
遠くアフリカの地にまで到達した長距離移動部族として有名。
東ゴートのテオドリックの様に、大王とまでは称されなかったが、偉大なる王・ガイセリックを出した。
スエービーに次いで興味ある部族である。
ゴート族同様、シリング、ハスティングの2系統あり、大遠征を敢行したのは、ハスディング系。なお、シリングの名は今日、シュレージェンという形でその名を伝えている。

スエービー族
ガリア戦記冒頭にその名をとどめる部族。こちらも遠くイベリア半島まで移動した。
シュワーベンにその名を残す。

フランク族
結果から見れば、民族移動期の勝利者
フランスの名のもとになったため、フランスの建国民族のような印象があるが、どちらかというと、現在のライン河下流域あたりを故地とするフランケンのゲルマン人
ザリー、リブアリ、上フランク諸族の3系統あり、メロヴィング家はザリー支族。
後年、東フランクを継承した11世紀の神聖ローマ皇帝の家系・ザリエリ(サリー)朝も、このザリー・フランクの出自だったらしい。

ブルグンド族
ニーベルンゲンであまりに有名な部族。こんにちのフランス・ブルゴーニュ地方。

ランゴバルド族
最後の移動者。正直、この時代になると、やや興味が半減。
北伊・ロンバルディア地方にその名を残す。

アングル族
ユトランド半島からブリテン島に移住。Englishの語源として有名。

ザクセン族
大陸に残ったザクセン族は、ドイツ連邦の主要構成民族となり、ブリテン島へ渡った一派は、アングル、ユートとともに、アングロ・サクソンを形成。

ユート族
アングル、ザクセンほどには知られていない、アングロサクソン構成3部族の一つ。ただし、北ゲルマン系。