火星の月の下で

日記がわり。

第56回NHK杯戦、窪田義行五段-中田功七段戦

テレビにて観戦。
われらが変態振り飛車の窪田五段に、コーやん流で知られる3間飛車の名手・中田功七段、そして解説がB2組で現在絶好調、名古屋組のドンにしてこれまた振り飛車の名手・杉本七段と、もう振り飛車党による振り飛車党のための対局だった。(笑)
とにかく見てて飽きない、挙動不審の窪田五段、今回も見せてくれまして、指をくるくる動かしたり、首をカクカク動かしたりと、本当に絵になる棋士。内藤先生とか谷川九段とかとは違う意味で。
どっちかというと、加藤一二三九段に近いものがあるのかもしれんが、ひふみんのときには、場合によっては悪意を感じられるときもあるけど、この人は純粋に見てて面白い。
将棋も振り飛車党でないヘボアマの私が見ていても面白いんだけど、このテレビ棋戦のときの挙動の面白さも相当なもの。
今回は先手番だったものの、相手が同じく独特の3間飛車を使う中田功7段だったので、どうなるのかな、と思ってたら、なんと居飛車
まぁ、あれを居飛車と言っていいのかどうかわからんけど、とにかく先手飛車は2筋においたまま、そして後手からの4間、そして強襲と、見たこともない戦形。
飛、角、桂が玉を囲うより早く3筋4筋に殺到してくる中田功7段のすごい攻め。もうほとんど受けきるか攻め潰すか、という展開になったけど、なんとか受けつぶしたような形・・・かな、終盤はかなりわかりやすかったとはいえ、「受けつぶした」というのとも少し違うような気がする、見てて楽しい将棋だった。
私なんぞよりももっと棋力のある強い人が見ると、別の感想になるかもしれんが、とにかく面白かった。
中盤でほとんどノータイムでバシバシ指したり、たっぷり時間のあった感想戦で、両者とも自分のミクロコスモスに入ってしまって、仮想対戦に入っていくところとか、最高。
2回戦の対丸山戦は、力のこもった面白さだったけど、今回のこの3回戦ははでな切りあいの面白さだった。
ほんまに窪田五段の将棋は面白い。たぶん現・棋界では一番じゃないかと思う。
次はベスト8、南九段である。
南九段もも窪田五段とはまったく別の意味で好きな棋士なんで、どっちを応援しようか迷うところではあるけど、南九段が居飛車党なんで、次はきれいな居飛車vs振り飛車の戦いになるのでは、と思う。
そうなると、また窪田五段の変態振り飛車が楽しめるわけで、勝敗のゆくえもさることながら、とても面白い戦いにしてくれるものと思う。期待である。