火星の月の下で

日記がわり。

ロベ・デ・ベガの文庫本

岩波文庫、というと、もう最近は古書店で探すのがデフォになってしまってて、新刊とかそういうのはまったくわからなくなってしまってたんだが、今日たまたま書店で見るともなしに前を通り過ぎると「ロペ・デ・ベガ」の名前を見てびっくらこいた。
『オルメードの騎士』(ロペ・デ・ベガ)。
いわずと知れた、スペイン黄金時代の戯曲家・演劇人で、時代的にセルバンテスカルデロンのほぼ中間にいる人物。
ただ、その高名さに比べて、作品がとりあげられることはあんまりなかったように思う。
とにかく作品数が多い。一説には2000を超える作品数を数えたと言い、現存するものでも400を超えると言う。
時代としては、16世紀末から17世紀にかけて、なので、ほぼ英国の沙翁と時代がかぶり、フランス古典主義にはかなり先行する作家。もちろん、近代ドイツ、近代ロシアといった文学はまだ生まれていない。
ロマン派のベッケルと前述のカルデロンに魅せられて少しスペイン文学に興味があった時期があって、いろいろと和訳、独訳で読んでた時期があったけど、このロペ・デ・ベガだけはちょっと手がつけられなかった。どこから手をつけていいかわからない多作家だったのだ。
最初この名を聞いたとき、ゲーテ時代におけるイフラントとかコッツェブーみたいな感じかな、と思っていたけど、文学史的位置はもっと高い。
ともかく、冬コミ直前で、とてもそんな時間がないけど、時間ができたら手にとってみたい。